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特集

EIMAで日本の畑作農業と水田農業機械化を考える


昆 ゴツい分、プラウやサブソイラーの安全装置がいろいろあります。日本のユーザーでも150、200、300馬力になっていくと、強度や安全装置などの周辺の部分も再検討しなければなりません。スガノさんの場合も、ユーザーのトラクターサイズに合わせて機械を作っているわけですから。特殊な土壌条件に合わせてそれ以上のものを使ったら過剰強度になったり、値段が非常に高くなってしまったりしかねません。
波多野 現状ですと特注品に付けているようなショックアブソーバーのようなものを普及品でどのようにしていくかを研究中です。
齊藤 機械が高額になってきているから壊せないですよ。ひとつのボトム当たり100万ではもう直せないのではないでしょうか。
昆 日本でも急激に大型化が進んでいます。
藤 ここ10年くらいですね。10年で倍以上のクラスになっています。200から300馬力クラスというのも北海道では珍しくありません。
波多野 先ほどの労働力問題などでもトラクターの高馬力化が進んでいるわけですけど、逆にそれに歯止めをかけるのも当社なのかなと思います。
昆 そこまで大きくする必要があるのか、ということですね。
波多野 はい。デカいトラクターを使ってなんでもやっていこうと、どんどん作業機もデカくなってきています。しかし、一定以上の馬力を超えたら、できる仕事は大して変わらないのではないでしょうか。150馬力くらいでフロント作業を含めて一通りの作業機が使えます。100を超えたら200馬力にしたってボトムは1連しか増えません。ボトム1連増やすために、あと100馬力が必要なのだろうか。費用の問題だけでなく、その分土壌への踏圧も増えるわけですから。
齊藤 そうです。トラクターを100馬力大きくしたら、すごい作業機を後ろに付けられると思いましたが、作業幅4mが6mになっただけでした。その2m分のために100馬力買い足す必要があるのだろうか、それなら3m幅の作業機を2台にしたほうがよいのではないでしょうか。トラクターはこれ以上、大きくならないほうがいいと思います。
波多野 その考え方はありますね。
齊藤 ここで土作り作業機の大型化にブレーキをかけるのも、スガノさんかもしれないという考え方には同意です。スガノさんが一番土をわかっていて、現場で動いているのですから、もう警鐘を鳴らさないといけない時が来ているのかもしれません。土を良くして作物をもっととるために、我々はこういう機械を作りましたって、メーカーの責任として言うようになってもらいたいです。コンビソイラーなどいろいろなものがありますけど、これからの大型馬力対策として、土をほぐす道具をもう一工夫してみましたとか、そういう義務はあると思います。スガノさんには大型化を止めつつも、止まらなかったユーザーにも対応していく責任があります。

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