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特集

EIMAで日本の畑作農業と水田農業機械化を考える


齊藤 ナッツ類の収穫機も面白かったですね。
昆 ゆするやつと拾い上げていく機械ですね。栗や銀杏など日本にもあのような機械を使える農場ありますね。
齊藤 伸縮するほうきみたいなのありますね。ゴルフ練習場でボール集めるような機械、農具として素敵です。
昆 それを最終的には吸引して拾い上げます。マーケットが小さいけど、ああいうものを使わざるを得ない農場も出てくるのではないでしょか。メーカーのカタログを見ると、ナッツ類に関連するありとあらゆる製品がラインナップされています。
齊藤 日本でも茶摘み機械が、特殊な作物へ特化した機械です。輸出もしていますし。
昆 移動式の穀物乾燥機。あれも日本で使えると思いました。聞いたらナカザワさんが日本の代理店になっているようで、すでに日本にも導入されているらしいです。
齊藤 北海道の士別に入っています。
昆 ポテトハーベスターのグリメに行ってわかったのですが、多様な条件に合わせるための本当に幅広い部品の選択ができるのです。びっくりしました。しかし、日本では輸入業者がそのような情報と知識を持っていません。向こうでは販売業者にそのような能力があり、メーカーの技術者も出向くのでしょう。マーケットも小さいから、日本の販売業者にはできないということもあります。現場的に知識のある販売店のサービスマンあるいはメーカーもしくは輸入業者のサービスマンが、レベルの高い農家と一緒に技術を高めていく必要があります。イタリアではそれができています。グリメの話を聞いてすごく感じました。
齊藤 確かに現場力が弱いと思います。それは開発や研究でも同じで、現場経験が少ない人が幅を利かせているのではないでしょうか。イタリアではメーカーの人も、「俺も農家なんだ」という人が多いですから。
昆 まだ日本では普及所や試験研究機関の人は「先生」です。手練れの農家の現場の知恵や経営経験をもっともっと開発や改良に活かしていくべきです。
齊藤 海外の機械や機械技術には学ぶべきものがたくさんありますけど、なんでも優れていると考えるのはそろそろ卒業しなければならないと思います。
昆 今日はありがとうございました。

齊藤 義崇
1973年、北海道生まれ。栗山町在住。2014年、普及指導員を退職し、実家の農業を営む。経営は和牛繁殖、施設園芸が主体。普及指導員時代は、主に水稲と農業経営を担当し、農業経営の支援に尽力した。農業法人の設立、経営試算ソフト「Hokkaido_Naviシステム」の開発、乾田直播の推進、水田輪作体系の確立などに携わる。本誌にて「実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!」連載中。

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