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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

費用対効果と投資対効果(1)言葉の意味と捉え方



(2)品質や歩留まりが向上した
次に品質や歩留まりの向上も数値化しやすい。かけたコストに対して、品質や歩留まりが向上すれば売上高や収益増にも直結するだろう。帳簿に反映される以前に、生産段階での評価基準を持つこともポイントである。野菜や果樹、畜産は個体ごとの歩留まりを数値化しやすいが、コメ・麦・大豆でも各種センサーやGPS等の普及によって、圃場ごとに数値化できるようになってきた。先進技術は費用対効果を図る指標を少なからず提供してくれている。

(3)働きやすくなった
日本では、多くの農業経営者が現場作業者を兼務している。経営者自身、あるいは家族や従業員が働きやすくなったと感じるかどうかも投資対効果を測る指標になる。数値化するには難しい部分もあるが、こうした感覚的な評価も大事にしたい。働きやすくなったと感じる理由には「疲労度が少ない」「達成感が増えた」「煩わしいことが減った」といったものが網羅されている。働く者の満足感が高まれば仕事の質も上がるというのは万国共通のセオリーではないだろうか。ただし、冒頭で指摘したが、働きやすくなっても減収・減益では投資対効果はマイナス評価になるので、くれぐれも注意しよう。

(4)仕事の幅が広がった
よく百姓というが、農業経営者の仕事の幅は実に広い。事業的な仕事から地域のお世話まで、性格による部分も多いと思うが、忙しない職業である。新しい技術を導入したり、省力化を図ったり、作業を外注することで仕事の幅を広げることができれば、それもまた投資対効果の一つに挙げられよう。時間の使い方が変われば、人間関係も変わり、回り回って仕入れ先や納入先の営業活動につながることもあるからだ。日常的なルーチンに追われて余裕がないと感じる経営者ほど、帳簿以外の効果にも注目していただきたい。

年が明け、申告シーズンに突入した。収入保険もスタートし、青色申告に移行するメリットが増えるなか、改めて仕訳を見直す季節である。読者の多くは毎年何らかの工夫を凝らしておられることと思う。仕訳を起点に、その効果を評価するクセをつけようと呼びかける連載を今年は心がけようと思う。

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