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アルパカファームの経営・労務事件簿

地域という視点から農業経営を捉える


これまで主要な流通形態であった「大規模流通」の弊害として、生産と消費が分離してしまったことが挙げられます。しかし地域の中で生産した野菜の流通を、地域の魅力を伝える地域商社に任せることで、まさに地域の魅力のひとつとして、野菜は消費者のもとに届けられます。生産者としてその「誇り」は「働く誇り」となり、より一層の情熱を、農業経営に注ぐことにつながっていきます。
また、消費者からすると、物理的に生産者の顔が見えなかったことで、商品の責任は「売り手」となり、クレームは売り手に集められるばかりでしたが、地域商社としてクレームも生産者に棚卸しすることができるので、生産者の意識改善や技術改善につながっています。

【地域活性化の鍵を握る地域商社】

ファーマーズフォレスト社は、沖縄県うるま市に、「うるマルシェ」という産直複合施設をオープンしまし た。栃木県では冬の期間は農作物の出荷量が非常に少なくなってしまいますが、沖縄県は夏の猛暑の期間は出荷量が少なく、冬の時期は安定して出荷できるので、産地リレーの観点から、双方にメリットがあります。
このうるマルシェの運営が表すように、これからの時代の農作物流通は、これまでのように産地から都市圏への一極集中、一方通行なものではなく、産地と産地、地域と地域をつなぐような中規模流通が主流となるでしょう。そのプラットフォームの中核を担う地域商社が、地域活性化の鍵を握ります。
ファーマーズフォレスト社は、「農」を起点に地域をつないでいますが、例えば大谷石の採掘場跡地を活用してツーリズム事業を行なうなど、「地域資産を活かす」という視点で事業を展開しています。
個人や会社の資産だけでなく、地域の資産へと視座を上げる。農業は特に、地域の成長との相関が高い仕事です。視座を上げれば、農業経営者が、地域商社の役割を担うことができる可能性を秘めています。

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