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【知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ】
オーストラリア 20年かけて7州で栽培を解禁
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第13回 2019年01月07日
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オーストラリアの国土面積は日本の約20倍に及ぶ。その約5割が農用地だが、降水量が少ない乾燥地帯に属するため、大半が放牧地に使われている。主な農産物は牛肉、小麦、羊肉、乳製品、羊毛、綿花である。国内市場が小さく、そのうちの約7割が輸出されている。
この国でのヘンプの歴史は、新しい植民地で商業的に生産されることを期待したイギリスの博物学者ジョゼフ・バンクス卿の要請により、1788年に同国に到着した第一艦隊によってヘンプ種子が運ばれたという記録に始まる。植民地時代には、政府がヘンプ栽培を奨励するために入植者にヘンプ種子を提供していたそうだ。19世紀初頭には、英海軍の帆布やロープの原料としてヘンプ栽培が盛んだったが、1937年の米国のマリファナ課税法による実質的な禁止政策の影響を受けて、翌年から禁止となった。
オーストラリアで大麻と言えば、ニューサウスウェールズ州(NSW)の北部に位置するニンビンという町の名が世界的に知られている。60年代のヒッピー文化を背景に人々の暮らしに大麻が根づいていたが、地元警察から圧力を受けて逮捕者が出るなどたびたび騒動が起きていた。その状況下で92年に設立されたのがニンビンヘンプ大使館という非営利団体である。翌93年から毎年、“マルディグラス”と呼ばれる平和的なパレードと集会を開催し、嗜好用大麻だけでなく、医療用大麻や産業用ヘンプをも含んだ大麻法改革の運動を盛り上げてきた。ほかの先進国よりもマリファナに対して寛容な文化を持っているのは、彼らのおかげでもある。
オーストラリアで大麻と言えば、ニューサウスウェールズ州(NSW)の北部に位置するニンビンという町の名が世界的に知られている。60年代のヒッピー文化を背景に人々の暮らしに大麻が根づいていたが、地元警察から圧力を受けて逮捕者が出るなどたびたび騒動が起きていた。その状況下で92年に設立されたのがニンビンヘンプ大使館という非営利団体である。翌93年から毎年、“マルディグラス”と呼ばれる平和的なパレードと集会を開催し、嗜好用大麻だけでなく、医療用大麻や産業用ヘンプをも含んだ大麻法改革の運動を盛り上げてきた。ほかの先進国よりもマリファナに対して寛容な文化を持っているのは、彼らのおかげでもある。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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