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江刺の稲

イタリアと日本の農産物輸出

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第272回 2019年01月31日

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飼料米に次ぐコメ政策の目玉は輸出である。馬鹿げている。
圧倒的に世界一のマカロニ輸出国であるイタリアは同時に世界有数の小麦輸入国である。しかし、イタリアの小麦生産は1960年代と比べ面積は縮小してはいても、生産量そのものはそれほど大きく減少していないと以前にも書いた。
FAOの最新のデータを見ると、小麦の生産は面積が1961年の434万5000haから2016年では180万6000haに減少しているが、生産量は約830万tから約697万tと61年の84%。しかし、単位収量が61年のha当たり1.9tから3.9tに増え、輸入量も245万tから16年では765万tと3倍以上に増えているのだ。
その理由は小麦加工品の輸出が増えているからだ。小麦加工品のうちのマカロニの輸出だけを取っても61年には数量にして2万3000tで582万ドルが16年には176万3000t、金額にすると19億6547万ドルと、数量にして77倍、金額にすると338倍にも増えているのである。
ブランドが確立されたイタリアでは仮に原料の輸入が増えても加工品の輸出増大が農業を守っているのである。EU諸国の多くがかつては原料農産物輸出の比率が高かったものが加工品輸出に変化しているが、それこそ先進国の姿なのである。
にもかかわらず、我が国で農産物輸出というと相変わらずコメを代表としてイチゴやリンゴなどの原料農産物輸出ばかりが語られ、その輸出振興が喧伝され続けている。農業界へのアピールがその理由であるが、どんなに品質が優れていようとも、現在の農産物価格水準ではたかが知れているのだ。
でもどうだろう。例えば、日本の食材を使った冷凍弁当やジャガイモ加工品などは、大いに輸出増大が期待できる。

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