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今月の数字

103,863t(農業の2016年廃プラスチック排出量)

昨年からプラスチック使用禁止の動きが広がっている。カリフォルニア州では1月1日に、レストランで使い捨てのプラスチック製ストローを提供することを禁止する州法が施行された。日本でも、外食チェーン大手のリンガーハットが、1月14日から国内の全店舗約780店で、プラスチック製の使い捨てストローを廃止した。
プラスチックごみによる海洋汚染が報道されるようになっているが、状況はもっと深刻なようだ。東京農工大の高田秀重教授の調査では、2015年に東京湾で捕ったカタクチイワシ64匹のうち8割近くの内臓から150個のマイクロプラスチックが検出されている。そのうち約1割は、古い皮膚や汚れをこすり落とすために洗顔料などに入れられている「マイクロビーズ」と呼ばれる微粒子だ。2018年3月、世界保健機関(WHO)が世界11カ国の259本のペットボトル入りミネラルウォーターを分析した結果、90%以上に微細なプラスチックが含まれていることが判明した。平均で1当たり325個、多いもので10,000個のプラスチック粒子が検出された。2018年10月、ウィーン医科大学の研究チームは国際学会「欧州消化器病週間」で、日本を含む8カ国で採取した8人全員の便からマイクロプラスチックが検出されたとの研究結果を発表し、健康への影響を評価するため大規模な調査を進める必要性を訴えた。
マイクロプラスチックの人体への影響はまだ研究段階でわからない。そもそも、マイクロプラスチックの影響を受けていない人を探すのが難しいため、比較研究ができないという話さえある。確実なのは、マイクロプラスチックとそれに付随する化学物質を日々摂取する時代に入っているということだ。

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