ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ

ニュージーランド ヘンプ食品の市場流通が最後まで違法だった国

日本の4分の3に相当する国土面積に約470万人が暮らすニュージーランド。羊毛や乳製品などの輸出国として農業と林業で発展してきた国である。この小国が近年、大麻の話題で世界的に注目を浴びている。
2017年秋に誕生したアーダーン首相率いる新政権が、発足翌日に嗜好用大麻、いわゆるマリファナの合法化の是非を問う国民投票を20年に実施することを発表したからだ。もともと25年までに国全体でタバコを禁煙化することを目標としているが、18年12月には医療用大麻のさらなる合法化にも踏み切った。こうした背景のもと、産業用ヘンプの動きはどうなっているのだろうか。

ヘンプ食品の合法化まで提案から18年かかった

ニュージーランドにもイギリスの博物学者ジョゼフ・バンクス卿の要請により、1788年に到着した第一艦隊によってヘンプ種子が運ばれたという記録がある。帆船に用いるロープ等の繊維原料として新しい植民地で商業的に生産することをイギリス本国が期待していたのだろう。その後は需要が減り、1961年の麻薬に関する単一条約をきっかけに栽培が禁止され、75年に施行された薬物乱用法の対象になり、長きに渡る禁止政策が敷かれた。
ヘンプ復活の動きは、97年のニュージーランドヘンプ産業協会(NZHIA)の設立から始まった。同協会は翌98年にヘンプ産業の本を出版し、99年には『産業用ヘンプとニュージーランドの可能性』という報告書を農業大学として著名なリンカーン大学から発行した。さらに政府との会合を経た01年秋から05年秋まで試験栽培を行なった。ヘンプの栽培は、マリファナ成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)濃度が0.35%未満の品種を使うという条件で許可されている。

関連記事

powered by weblio