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【知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ】
ニュージーランド ヘンプ食品の市場流通が最後まで違法だった国
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第14回 2019年01月31日
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2017年秋に誕生したアーダーン首相率いる新政権が、発足翌日に嗜好用大麻、いわゆるマリファナの合法化の是非を問う国民投票を20年に実施することを発表したからだ。もともと25年までに国全体でタバコを禁煙化することを目標としているが、18年12月には医療用大麻のさらなる合法化にも踏み切った。こうした背景のもと、産業用ヘンプの動きはどうなっているのだろうか。
ニュージーランドにもイギリスの博物学者ジョゼフ・バンクス卿の要請により、1788年に到着した第一艦隊によってヘンプ種子が運ばれたという記録がある。帆船に用いるロープ等の繊維原料として新しい植民地で商業的に生産することをイギリス本国が期待していたのだろう。その後は需要が減り、1961年の麻薬に関する単一条約をきっかけに栽培が禁止され、75年に施行された薬物乱用法の対象になり、長きに渡る禁止政策が敷かれた。
ヘンプ復活の動きは、97年のニュージーランドヘンプ産業協会(NZHIA)の設立から始まった。同協会は翌98年にヘンプ産業の本を出版し、99年には『産業用ヘンプとニュージーランドの可能性』という報告書を農業大学として著名なリンカーン大学から発行した。さらに政府との会合を経た01年秋から05年秋まで試験栽培を行なった。ヘンプの栽培は、マリファナ成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)濃度が0.35%未満の品種を使うという条件で許可されている。
ヘンプ食品の合法化まで提案から18年かかった
ニュージーランドにもイギリスの博物学者ジョゼフ・バンクス卿の要請により、1788年に到着した第一艦隊によってヘンプ種子が運ばれたという記録がある。帆船に用いるロープ等の繊維原料として新しい植民地で商業的に生産することをイギリス本国が期待していたのだろう。その後は需要が減り、1961年の麻薬に関する単一条約をきっかけに栽培が禁止され、75年に施行された薬物乱用法の対象になり、長きに渡る禁止政策が敷かれた。
ヘンプ復活の動きは、97年のニュージーランドヘンプ産業協会(NZHIA)の設立から始まった。同協会は翌98年にヘンプ産業の本を出版し、99年には『産業用ヘンプとニュージーランドの可能性』という報告書を農業大学として著名なリンカーン大学から発行した。さらに政府との会合を経た01年秋から05年秋まで試験栽培を行なった。ヘンプの栽培は、マリファナ成分であるTHC(テトラヒドロカンナビノール)濃度が0.35%未満の品種を使うという条件で許可されている。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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