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土門「辛」聞

フランス食文化紀行―伝説の料理人がフードコートに甦った


狭いシャブリ村で日本人オーナーシェフのレストランが2軒もあり、お互いにミシュラン☆マークの先陣争いをしているようだった。

ドメーヌでシャブリの893登場

翌朝は、お目当てのブドウ畑の視察だ。いざ出発の段になって、訪ねる
ドメーヌのことを調べていないことに気がついた。得意のアポなし訪問と思い、ブドウ畑に車を走らせてみたが、10分ほどであきらめた。看板がないので探しようがなかったのだ。
前夜のレストランなら何か情報があるだろうと思い、村の中心部に戻った。9時前というのに調理場の光が見えた。もう準備を始めていたのだ。シャブリにはドメーヌが300軒以上もあるそうだ。前夜注文したのが印象に残っていたので、「昨夜、飲んだシャブリのドメーヌを教えて欲しいと」とたずねると、レストランから車で数分のドメーヌを教えてくれた。
これがドンピシャだった。歴史が16世紀に遡るという由緒のある「ドメーヌ・セルヴァン」だ。オーナーのフランソワ・セルヴァン氏は、日本人の来訪と知るや、いきなりこのコスチューム(写真)に着替えて迎えてくれた。もう説明の必要はないだろう。
日本のインポーターがプレゼントしたものだった。わざわざ着替えるなんて見上げた商人魂ではないか。海外に日本酒を売り込む酒蔵の経営者が、これだけのパフォーマンスを演じているだろうか。
畑は試飲の前に案内してもらった。フランソワは、ブドウ畑からこぶし大の石を拾い上げ、「これ、何だと思う」と質問してきた。「貝化石でも混じっているのかな」と中途半端に答えると、「これがキンメリジャン土壌だ」とウィンク。
貝化石の仲間だが、シャブリでは牡蠣殻が多いことが特徴。大昔、海だったということだ。ジュラ紀ということだから、約1億9500万年前~約1億3500万年前の恐竜が跋扈していた時代に遡る。化石や堆積した牡蠣の貝殻が多く含まれていて、ミネラルがとても豊富。これにシャルドネ種がバッチリ合う。キンメリジャン土壌にバッチリの品種なのだ。土壌のミネラル分を吸い上げる特徴がある。
常々、ワイン銘醸地は、ビッグバンのときから約束されていたものと言っていたが、キンメリジャン土壌を目にしてその思いを強くした。貝化石の仲間のキンメリジャンの図柄をラベルに使うドメーヌもあるぐらいだ。
ドメーヌ・セルヴァンの畑は39ha、36区画ある。1区画約1ha規模。土壌に応じて品質的に4ランクに分けている。キンメリジャン土壌を多く含む特級畑はシャブリ・グランドクリュ、それに次ぐ1級畑はシャブリ・プレミアムクリュ、一般畑はシャブリ、キンメリジャン土壌を含まない畑はプチ・シャブリと呼ぶ。

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