ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

Opinion

ジャガイモシロシストセンチュウとイギリスでの対策


殺線虫剤で管理する場合、灌注のタイミングが難しい。ホスチアゼートは土壌中の水分量や地温に対して比較的影響を受けにくいものの、環境によって変動する半減期と天候を考慮し、最適な状況で灌注することが求められる。灌注後の豪雨や洪水にも注意しなければならない。たとえば、植え付け後の寒さで萌芽と生育が遅れた場合、PCNの幼虫が根に移動する前に殺線虫剤の半減期に差しかかってしまって効果が出にくい。Syngenta(R)社の製品ガイドと有効活用のためのガイドラインによると、PCN対策としてNemathorin(R)を施用する場合、30kg/haの全面散布が望ましいとされている。
ホスチアゼートの半減期は2~6週間になる。Gpのふ化のピークは植え付け後6~7週間で、ふ化期間は最大12週間なのに対し、Grのピークは3~4週間で、期間は最大6週間だ。つまり、殺線虫剤での防除ではGpのほうが困難だといえる。
施用方法は播種床の造成時に灌注されることもあるが、深度が深すぎると効果が落ちる。インファローは、PCNの幼虫の20cmという移動距離からしてあまり有用ではない。そのようなことを踏まえると、ポテトプランターの前方から施用することが最も有効になる。フロントリンケージに浅い耕土作業機を取り付けて低い回転速度とし、深さ15cmまで、種イモの周辺15cmに顆粒を施用する。

IPM戦略での管理方法

イギリスではIPM戦略が採用されている。これは殺線虫剤のみに頼るのではなく、輪作の長さ、抵抗性品種の使用、前作の収穫残さの制御を総合的に織り交ぜ、戦略的に管理する手法だ。IPM戦略での管理方法を実践するには感染経路を把握することが重要になる。土壌が健康であることがPCN管理に必要であること、また生物学的アプローチや環境配慮を考えることは不可欠という側面から、殺線虫剤や抵抗性品種の使用のほかにもさまざまな管理方法の試験を長年実施している。
(1)トラップクロップ
トラップクロップは、PCNからすると厄介な宿主で、シストのふ化を促して幼虫を死滅させるものだ。これは乾燥重量で最低700g/平方m必要になる。AHDBでは以下のトラップクロップに関する有用性の実験を行なった。
ソラナム・シシンブリフォリウムは、植え付け時に地温が12℃以上、萌芽時に安定した含水量があると効果が出やすい。砂地や泥炭地では灌漑が必要な場合もある。ただ、これらの実験は巨大コンテナで実施されたケースが多い。年や土質、種子に影響を受ける(PCN grower guide/AHDB, 2017)。

関連記事

powered by weblio