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【新・農業経営者ルポ】
牛島謹爾シリーズ(1)アメリカ帰りの開拓者精神を後代まで継承
- (有)久保田園芸 取締役(寿)・代表取締役社長(淳) 久保田寿・淳・裕作
- 第176回 2019年02月28日
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淳も50代に差しかかっており、後進の育成に動き出している。長男の裕作は大学卒業後、卸売市場内の会社に3年間勤務し、昨年4月に入社した。家業につながる実務のみならず、新たな人脈づくりをしてきたこともプラスになりそうだ。今後の抱負を次のように語る。
「偉大な祖先の流れを汲む者として身が引き締まります。就農したばかりでまだまだわからないことがたくさんありますけど、父や祖父の下でしっかりとした知識を身につけていきたいです。そのうえで既存や新規のお客様のニーズに応えられるような野菜づくりを目指していきたいですね」
寿の次男も国際総合物流企業を経て、経理を担当している。謹爾を端緒にした精神の系譜がこうして紡がれている。
「牛島さんのところで働いて帰国してきた人の住まいはどこも立派です。単にお金をいっぱい持って帰ってきたからということではなく、日本もいずれアメリカのようになるんだという生活様式や環境衛生が表れています。そういうことを含め息子たちにコンタクトしてきましたけど、自慢ではないですが、よく理解した人間に育ってくれました。親の言うことに従うのとも違い、いろんな意見を出し合いながら経営できています。これはやっぱり牛島さんや祖父の藤藏の血筋が色濃く受け継がれてきたからなんでしょうね」(寿)
親の背を見て子は育つということわざがあるが、それが具現化されてきたのがこの家系だろう。謹爾や井上藤藏が周囲との結びつきを大事にしながら新世界を切り拓いていったように、一度限りに終わらない末永く強固な関係性の構築もこの家系にはあるように感じてならなかった。 (文中敬称略)
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久保田寿・淳・裕作 クボタヒサシ・スナオ・ユウサク
(有)久保田園芸
取締役(寿)・代表取締役社長(淳)
久保田 寿:1941年生まれ。57年、就農。/久保田 淳:1965年生まれ。三重県の日生学園高校を卒業後、奈良県のイチゴ農家や福岡県のブラジル研修を経て、就農。93年、(有)久保田園芸を設立。2000年からハーブ類の生産を始める。11年より現職。/久保田 裕作:1992年生まれ。琉球大学農学部を卒業後、久留米市卸売市場内の(有)ロジスティクス久留米に入社。2018年、就農。
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