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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

費用対効果と投資対効果(3) 農機具費(土耕機)編

土づくりは投資対効果で見る

ヨーロッパの展示会や農機メーカーを訪ねて土耕機の品定めをする機会が増え、見る目が肥えてきた。こと土耕機に至ってはラインナップが豊富で、摩耗性や耐衝撃性などの機能、鋼材の硬度や形状によって、価格もその効果もまちまちである。皆さんの多くが土づくりに高い関心のある農業者だと思うが、改めて「土耕機の良し悪しをどう判断するのか?」と問われると、意外と答えにくいかもしれない。
作業効率が上がれば、導入して比較的すぐの段階で導入した甲斐ありと判断できるだろう。その一方で、土づくりの効果を判断するのは難しい。レーザーレベラーを導入により水田の均平がとれたおかげで、水稲や穀類の個体差が少なくなったり、さらには品質が揃って、田面の高い箇所と低い箇所の収量差までなくなったりすれば、速効的な土づくりができたと言えよう。しかしながら、それは稀なことで、土耕機を購入して技術体系を変えたり、新製品に買い換えたりしても、収穫物の品質に反映されるまでに時間がかかるのが通例である。土づくりの機械作業体系を見直した効果は、数年あるいは十数年経過してようやく実感として返ってくればよいくらいで、ましてや導入直後は収量減に見舞われることもあるのだから。
作業幅の大きな機種、作業速度が格段に上がる機種に買い換えたときなど作業時間を短縮できると、良いものを手にできた実感を得られて気分も良い。だが、収穫物の収量や品質まで改善できなければ、結果として購入した機械のコストは収支に影響を与える。作業時間の短縮による労務費の低減幅と収益の増減幅のバランスを見て考えることになる。あまりシビアに考えすぎてもいけないが、土耕機の費用対効果は、(1)収量や品質の向上効果、(2)作業効率と労務費などの時間的効果、(3)摩耗性に代表されるその土耕機のコストの3つを絡めて、時間をかけてじっくり見極めるべきである(図1)。

大型機械による踏圧などマイナスの効果も検証せよ

最近、とくに土地利用型経営のトラクターや作業機、収穫機の大型化に危機感を抱いている。その理由は、大金をはたいて導入した機械による踏圧がマイナスの効果をもたらす現場に遭遇するからだ。そもそも、土耕機は播種床あるいは苗床の造成と、排水性改善を行なう作業機である。踏圧によって締め固められた土壌をほぐすために、新たにチゼルを入れるなど作業工程が増えていないだろうか。ゲリラ豪雨や干ばつが頻発する状況にあるが、それを助長するかのように重たい作業機が圃場を傷めているのではないだろうか。

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