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二つ目は、「農業者の本能として土を大切につくる」ことである。機会を見つけては、知り合いを通じて、食品や農業機械、包装資材を製造する工場を視察してきた。たいてい工場長か生産本部の責任者が応対してくれるのだが、工場を案内してくれるときの彼らの目の輝きは、農業者が土づくりを語る熱意に勝るとも劣らない。モノづくりに必要な道具や設備に対するのは生産に関わる者の本能なのだろう。農業者にとって土は農産物を安定して生産するためのベースなのだから、固定的な予算をつけて手入れをするのは当然のことである。そこには根拠を求めずに本能に従って強い意志を持っても良いと思う。
3つ目は「作付けが増えたからサボるは間違い」という苦言である。かつては、面積が増えたからといって作業が雑になるとか、反収が下がるとか、同じ人員で管理すると目が届かなくなると言われたものだが、そうした言い訳が通じなくなってきた。ICTをはじめとする先端技術が普及し、規模拡大を経て投資が可能になり、土づくりにも力を入れやすくなっているからだ。ICTツールについては別の機会に述べるが、即効的に経営収支に直結しない物財への投資にも理解が広がりつつあるのは興味深い変化である。
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齊藤義崇 サイトウヨシタカ
1973年北海道生まれ。栗山町在住。昨年、普及指導員を退職し、実家の農業を2014年から営む。経営は和牛繁殖、施設園芸が主体。普及指導員時代は、主に水稲と農業経営を担当し、農業経営の支援に尽力した。主に農業法人の設立、経営試算ソフト「Hokkaido_Naviシステム」の開発、乾田直播の推進、水田輪作体系の確立などに携わる。
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