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土門「辛」聞

養豚のミステリーゾーンが見えてくる過去最大の豚コレラ禍

2月14日現在、豚コレラの感染で殺処分された豚は1府4県で4万頭を軽く超えてしまう。大半は岐阜と愛知だ。国が定めた豚コレラの防疫マニュアルが守られず、岐阜県と愛知県が初動で失態を繰り返したことが原因だ。家畜防疫の歴史に大きな汚点を残すことになった。

ウイルス特定も感染原因分からず

次ページの「発生リスト」と題した表は、豚コレラの発生確認時期と発生場所を時系列でまとめたものである。参考にしたのは、農水省が2月14日に公表した「我が国における発生状況」。オリジナルは、発生場所の飼養頭数が示されていたが、殺処分数に置き換えた(両県公表資料や新聞記事を参照)。被害の大きさを認識してもらうためだ。
(ア)から(ケ)の囲み文字で示したのは、二次感染したと畜場や養豚場などである。(7)を例にとると、(ア)は食肉に加工するため、と畜場に運ばれてきた豚から感染が見つかったケース、(イ)は肉用として肥育するため購入した子豚から感染が見つかったケースである。
感染ルートは何も分かっていないが、ウイルスのタイプは分かった。国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)のDNA検査で2種類あることが確認された。(7)と示した岐阜の7例目と、岐阜県内で捕獲された野生イノシシ1頭(捕獲番号60号)にのみ遺伝子配列に「変異有」という判定が下った。それ以外は同一の遺伝子配列だ。豚コレラに感染した野生イノシシは、2月14日現在で144頭いる。先の1頭以外は、すべて同じ遺伝子配列ということになる。
残念ながら、これだけでは感染源や感染ルートを特定することはできない。ちなみに144頭は、岐阜県によって調査のため捕獲されたものや、死体で見つかったものである。
愛知の(8)と(9)の2例(豊田市と田原市)は同じ系列の養豚場である。豊田市に本社があるトヨタファーム(鋤柄雄一代表)だ。実名にした理由は後で説明する。(ウ)から(ケ)は、トヨタファームの出荷先であり、二次感染の被害を受けたものである。

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