ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

土門「辛」聞

養豚のミステリーゾーンが見えてくる過去最大の豚コレラ禍


岐阜と愛知の2県以外には長野県で2カ所、滋賀県と大阪府の各1カ所で豚コレラの発生が確認されている。いずれもトヨタファームから子豚などを購入した。家畜伝染病予防法に従い殺処分させられた。

熱射病と誤診して拡散を許す

岐阜県のケースから取り上げてみよう。豚コレラが確認されるまでの岐阜県や関連機関の対応は、目を疑うばかりのお粗末さだった。国が定めた家畜伝染病防疫指針(防疫指針)が守られなかったばかりか、初動での失態が続いた。その結果、豚コレラ拡散を許してしまった。
初発は、昨年9月9日、岐阜市の一貫生産の養豚場だった。ウイルス感染の確認に手間取った。
岐阜県は11月12日、第3回防疫対策本部会議を開く。1例目の初動ミスを総括するためだ。そのときの議論は「豚コレラ対策検証報告~初期対応を中心として~」(検証報告)に紹介されている。これを参考に当時の状況を再現してみよう。
この養豚場が飼育豚の健康上の異変に気がついたのは、8月初旬だった。そのときの様子を養豚場は、「エサ食いが悪い。親豚に元気がない」症状だったと県に説明。同中旬になると、毎日1頭のペースで死亡豚が出始めた。養豚場が岐阜市の獣医師に診断を要請するのが同20日。その診断結果は「熱射病」だった。
検証報告には「8月16日から9月3日まで概ね20頭が死亡した(一度に大量に死亡したではなく、一定頻度で死亡)。なお、毎日の豚数の増減は記録していない」という記述がある。
これだけ異常事態が発生しているのに、死亡豚数を記録していなかったことは驚きだ。国の飼養衛生管理基準が定めた最低限のルールさえ遵守していなかったことを認めたようなものである。
市の獣医師が岐阜県中央家畜保健衛生所(岐阜中央家保)に検査を依頼したのは同24日。ただし血液検査のみで遺伝子検査の要請はなし。熱射病の先入観が強すぎたからだ。
検査結果は、休み明けの月曜日(同27日)に出た。熱射病を強く疑いながら「なんらかの感染が起きている可能性があります」(検証報告)という両論併記のような内容で、最終判断は県畜産研究所(養豚・養鶏研究部)に委ねた。
県畜産研究所もミスを犯す。感染病の検査もせずに、岐阜中央家保の検査結果を追認したことである。
「熱射病が疑われるが感染症も捨てきれない。水の散布、風通しなどの熱射病の対策を実施するほか、感染症の有無を確認してはどうか」

関連記事

powered by weblio