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イベントレポート

食のコミュニケーション円卓会議主催 公開講座 花粉米セミナー2019

食のコミュニケーション円卓会議(代表:市川まりこ氏)が2月9日に「花粉米セミナー2019」を東京都内で開催した。同団体は、化学的根拠に基づく学びと体験を重視している消費者団体である。
スギ花粉症は国民病といえるほど社会問題化しているアレルギー性疾患で、一般的には抗ヒスタミン剤などの薬物を用いた対症療法が行なわれている。“スギ花粉米”(以下、花粉米)とは、ご飯を食べるだけでスギ花粉症の不快感の軽減が期待される遺伝子組み換えイネのことだ。
同団体が花粉米をテーマに取り上げた公開講座を主催したのは、3回目だ。今回は、研究・臨床のそれぞれの識者による基調講演に引き続き、会場の参加者を交えて、花粉米をはじめとした遺伝子組み換えによる健康機能米が抱える課題解決に向けた議論が繰り広げられた。

“スギ花粉米”がいまだに実用化されない理由

2000年代に行なわれた研究の成果は05年にマウスにおいてスギ花粉症の症状緩和効果が認められたことで初めて論文発表された。本誌でも、たびたび話題に取り上げてきたが、花粉症に悩まされている人々の期待とは裏腹に、いまだに実用化あるいは商品化には至っていない。花粉米が「食品」なのか「医薬品」なのかという線引きに翻弄されたことと、遺伝子組み換え作物の商業栽培という2つの大きなハードルが立ちはだかっているためだ。

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