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反社会的な行動の痕跡を放置し、モラルの低下を拡大させる小さなミスや傷をほったらかしておくと次第にそれに慣れて抵抗感もなくなり、その環境が当たり前になる習慣化。罪の意識も周りもやっているからと都合良く自分を許す合理化は集団暴行時の異常精神状態に通じる。我が家の庭に100羽の鶏を昔から放し飼いにしているが、普段はおとなしい鶏たちも1匹が喧嘩で負けて少しでも血を流せば、またたく間に興奮してみんなでその傷をつついて攻撃して殺してしまう。自分がイジメの対象にならないように周りに同化して仲間に歩調を合わせる風見鶏は、生き残る知恵なのか。
窓が割れている建物を放置すると、だれも管理していない警戒の薄い地域のサインとなり、犯罪を起こしやすい環境を作り出す。ゴミのポイ捨てなどを放置しておくと犯罪が起きやすくなり、住民のモラルもどんどん低下して地域振興や安全に無関心になって犯罪を誘発する環境に悪化するのは世界中同じである。
札幌中央警察署が、割れ窓理論で犯罪対策をした。歓楽街のすすきので、駐車違反を徹底的に取り締まると、路上駐車が3分の1以下に減少、犯罪を15%減少させた。東京ディズニーランドは小さな傷でもその場でペンキ塗り補修などすぐに綺麗に維持管理すると、客のマナーも格段に向上することを証明した。
玄関を観るだけで、その家族のすべてが見える。子どもが靴を脱いだまま放り出してあるところは、その母親が見えて父親の生活態度指数も分かる。親の言うことは聞かないが親の真似はする子供の躾の前に、自分の躾を見直したい。机の上を見るだけでも人格が見えてくる。部屋を片付けなくちゃ……と思いつつ明日に先送りすると、やがて慣れてしまい、足の踏み場もないほど汚くなっても気にならなくなり、遅刻など人生もルーズになる。
一つの些細な当たり前のことをその場で実行。自らトイレ掃除をし、挨拶とか整理整頓と口うるさくいう経営者の会社は、事故発生率が低いという統計がある。クレームも敏感にその都度まめに対処していくから業績も着実に伸びる。成幸法則は凡事徹底。なんでもない当たり前を日々徹底的に行ない、「割れ窓」を防ぐことである。
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黒木安馬 クロキヤスマ
作家 元国際線乗務員
高校時に米国留学後、早稲田大学を経てJAL国際線客室乗務員として30年勤務。世界初の「カラオケ・フライト」や「1万メートル上空・北島三郎機上コンサート」などを実現させる。千葉の自宅は1300坪の山林を開墾してプール、テニスコート、コンサートホール等を手作りする。現在、(株)日本成功学会社長として自己啓発や社員教育で講演中。著書に『成「幸」学』(講談社)、『あなたの人格以上は売れない!』(プレジデント社)、『出過ぎる杭は打ちにくい!』(サンマーク出版)、『面白くなくちゃ人生じゃない!』(ロングセラーズ)、『リセット人生・再起動マニュアル』(ワニブックス)、『小説・球磨川』(上下巻・ワニブックス)などがある。 E-mail:yasuma@myad.jp URL:http://www.3percent-club.com
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