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シリーズ水田農業イノベーション

花巻子実コーン組合が「実績検討会」を開催 6年間の取り組みと課題解決に向けた連携


「さらなる作業の省力化と省コストが課題だ。需要者に喜ばれる良質な製品をつくるのは当たり前のことだが、それを安定的に効率よく生産する形をつくりたい」
現在、東北農研の力を借りて作業の効率化を図っている。また、盛川農場では今年から搬送の手間を省き、最小限の人数で作業できるよう、敷地内に新たな乾燥および調製用の施設を設けた。このほか台風や湿害・鳥獣害などの課題を克服しつつ、現在800kg台の反収を1tに上げることが当面の目標だ。
「我々は新たなことに積極的に挑戦し、モデルになるのが役目だと考えている。公的機関・研究機関・各メーカーのおかげでここまで来た。今後も協力をお願いしたい」

栽植密度試験を通して収量増を目指す/白戸洋一氏 パイオニアエコサイエンス(株)

6年前から花巻での取り組みに参画してきた白戸氏は、18年に盛川農場で品種ごとに実施した栽植密度試験を報告した。供試品種は早生93日型から晩生115日型までの4品種。水稲の作業に影響しないよう播種は5月28日、収穫は10月22日に行なった。栽植密度は6千本・7千本・8千本/10a。生育日数147日、水分量21~22%で収穫した子実をサンプルとした。また、圃場の平均気温や降水量、有効積算温度など環境条件も計測した。
白戸氏は、1年の試験で判断するのは難しいとしながらも全体の傾向から考察を述べた。
「密植=高収量ではない。品種によって適正な密度が異なる。密植だと徒長による倒伏のリスクもある。収量は、どのケースでも水分12~15%で1t/10aを超えた。もちろん収量は気象や栽培管理・収穫時期などの環境要因に左右される。ひきつづき栽植密度試験を通じて、リスクを回避しつつより多くの収量が得られるような条件を調査し情報提供していきたい」

国産飼料による養豚ブランド強化/高橋誠氏 高源精麦(株)

花巻市にある養豚業の高源精麦は、白金豚というブランドを確立している。代表取締役社長の高橋誠氏は、初めて輸出を試みたとき、国産豚への価値観が揺らいだ。13年秋、盛川氏から話を持ち込まれたのを機に、地元産飼料によるブランド強化への道をたどり始めた。
高源精麦の飼料年間使用量は約4000t。組合から供給される100tほどの量を混ぜても計算上は肉質には影響はないとされている。しかし、発酵した香りが良いサイレージは豚の食欲を増進させる添加剤としての効果があるという。現在は「国産原料積極使用農場」として、取引先や行政、とくに海外で高い評価を受けている。

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