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【実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!】
費用対効果と投資対効果(4) ICTツール編
- 齊藤義崇
- 第52回 2019年03月29日
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ここ数年、右を向いても左を向いても、“農業ICT”ばかりだ。『下町ロケット』効果で、ロボットトラクターの実用化も進むのだろう。
こうした農業に特化したツール以外にも、身の回りのICTツールのおかげで、どれだけ余裕が生まれているか。検証してみるとおもしろい。農産物生産に関わる実作業に携わる時間のほかに、経営に関わる雑務をこなし、会合に出る機会も多い。皆さんも汎用的なICTツールにも相当な投資を行ない、その恩恵を受けているのではないだろうか。
たとえば、私はいまでもガラケー派だが、タブレット端末を導入した効果は意外と大きかった。日頃からハウスや圃場での農作業を行ないつつも、毎日2~3時間はパソコンの前に座っている。執筆やドキュメント作成はパソコンが得意とする作業である。一方で、メール操作や情報検索、モニタリングなどはタブレットがあれば場所を選ばない。アスパラのインターネット経由の販売を始めたり、関連商品を取り扱うようになったりしたのも、どこにいても隙間時間を活用しやすいツールがあるからこそである(図1)。
ICTツールの導入効果を見極めるポイントは「やりたいことができるようになったか」が第一段階である。その精神的満足感なしに数値化はあったものではない。私の場合は、さまざまなツールのおかげで「少しサボる」ことができるようになったと感じている。労を惜しまないタイプの経営者には共感いただけるのではないだろうか。一方で、ICTによる管理体制を厳しくし過ぎると遊びがなくなり、「サボれなくなった」と不満も出てくるだろう。その違いは、そもそもICTを使ってやりたいこと、成し遂げたいことが明確にあるかどうかにある。その前提を押さえずに便利さを追求しても意味がないと私は思う。
たとえば、私はいまでもガラケー派だが、タブレット端末を導入した効果は意外と大きかった。日頃からハウスや圃場での農作業を行ないつつも、毎日2~3時間はパソコンの前に座っている。執筆やドキュメント作成はパソコンが得意とする作業である。一方で、メール操作や情報検索、モニタリングなどはタブレットがあれば場所を選ばない。アスパラのインターネット経由の販売を始めたり、関連商品を取り扱うようになったりしたのも、どこにいても隙間時間を活用しやすいツールがあるからこそである(図1)。
ICTツールの導入効果を見極めるポイントは「やりたいことができるようになったか」が第一段階である。その精神的満足感なしに数値化はあったものではない。私の場合は、さまざまなツールのおかげで「少しサボる」ことができるようになったと感じている。労を惜しまないタイプの経営者には共感いただけるのではないだろうか。一方で、ICTによる管理体制を厳しくし過ぎると遊びがなくなり、「サボれなくなった」と不満も出てくるだろう。その違いは、そもそもICTを使ってやりたいこと、成し遂げたいことが明確にあるかどうかにある。その前提を押さえずに便利さを追求しても意味がないと私は思う。
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齊藤義崇 サイトウヨシタカ
1973年北海道生まれ。栗山町在住。昨年、普及指導員を退職し、実家の農業を2014年から営む。経営は和牛繁殖、施設園芸が主体。普及指導員時代は、主に水稲と農業経営を担当し、農業経営の支援に尽力した。主に農業法人の設立、経営試算ソフト「Hokkaido_Naviシステム」の開発、乾田直播の推進、水田輪作体系の確立などに携わる。
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