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【知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ】
ロシア かつてのヘンプ繊維産出大国で小麦・ヒマワリに次ぐ第三の作物へ
- NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク 理事 赤星栄志
- 第16回 2019年03月29日
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ヘンプは、花粉や種子、繊維の発掘調査によって、約1万1500年~1万200年前の最後の氷河期が終わる頃に、ユーラシア大陸のヨーロッパからアジアの広範囲に短期間で栽培が広まっていたと考えられている。なかでもヘンプの原産地とされている中央アジアと地理的に近いことから、ロシアでもこの頃に栽培が始まったようだ。17世紀以降、ロシア産のヘンプは、西洋世界の需要の80%を占め、良質な繊維が採れることで知られ、フランスの皇帝ナポレオンによるロシアへの戦争の原因にもなったという逸話もある。ヘンプ作付面積は、1720年に既に70万ha、1928年に最大ピークの96万haを記録した。繊維はおもに帆船のための帆布やロープ、衣服の生地に使われた。さらに、珍しい牛肉や豚肉の脂質の替わりに、ヘンプ種子およびヘンプオイルが重要な食用脂質となっていたそうだ。
北西に位置するサンクトペテルブルグには、世界有数の遺伝資源を保有するバビロフ研究所がある。遺伝資源の父と称される植物遺伝学者バビロフの名前を冠しており、1922年以降に世界中から収集された155科425属2532種32万品種の種がコレクションされている。ヘンプでは、おもにロシア、ウクライナ、ドイツ、中国、ユーゴスラビア、カザフスタンなどの品種がある。
世界最大の遺伝資源を所有
北西に位置するサンクトペテルブルグには、世界有数の遺伝資源を保有するバビロフ研究所がある。遺伝資源の父と称される植物遺伝学者バビロフの名前を冠しており、1922年以降に世界中から収集された155科425属2532種32万品種の種がコレクションされている。ヘンプでは、おもにロシア、ウクライナ、ドイツ、中国、ユーゴスラビア、カザフスタンなどの品種がある。
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赤星栄志 アカホシヨシユキ
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク
理事
1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士(環境科学)取得。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経て様々なバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究所研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。 【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net
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