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知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ

ロシア かつてのヘンプ繊維産出大国で小麦・ヒマワリに次ぐ第三の作物へ

ロシアでは、キエフ大公国(ロシア最古の国家、9~12世紀)の時代から農業は主要な産業である。国土の大半が亜寒帯及び寒帯の気候区分に属しており、首都のモスクワの東南部と南部地域に広がる穀倉地帯では、小麦・大麦等の穀物、ビート、ジャガイモ、ヒマワリ種子などが栽培されてきた。
ヘンプは、花粉や種子、繊維の発掘調査によって、約1万1500年~1万200年前の最後の氷河期が終わる頃に、ユーラシア大陸のヨーロッパからアジアの広範囲に短期間で栽培が広まっていたと考えられている。なかでもヘンプの原産地とされている中央アジアと地理的に近いことから、ロシアでもこの頃に栽培が始まったようだ。17世紀以降、ロシア産のヘンプは、西洋世界の需要の80%を占め、良質な繊維が採れることで知られ、フランスの皇帝ナポレオンによるロシアへの戦争の原因にもなったという逸話もある。ヘンプ作付面積は、1720年に既に70万ha、1928年に最大ピークの96万haを記録した。繊維はおもに帆船のための帆布やロープ、衣服の生地に使われた。さらに、珍しい牛肉や豚肉の脂質の替わりに、ヘンプ種子およびヘンプオイルが重要な食用脂質となっていたそうだ。

世界最大の遺伝資源を所有

北西に位置するサンクトペテルブルグには、世界有数の遺伝資源を保有するバビロフ研究所がある。遺伝資源の父と称される植物遺伝学者バビロフの名前を冠しており、1922年以降に世界中から収集された155科425属2532種32万品種の種がコレクションされている。ヘンプでは、おもにロシア、ウクライナ、ドイツ、中国、ユーゴスラビア、カザフスタンなどの品種がある。

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