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特集

日本のGAPの今


2年後には、ふるさとの南相馬市で水田の作付けが部分的に開始される予定だ。離農者も多いので、もしかすると三浦家が数10?ha程度の農地を経営していくことになるかもしれない。そうなると、これまでの経営規模とは桁違いになるため、三浦氏は、これまでの農業にこだわらずに、柔軟な経営判断をしていこうという覚悟を決めている。
「これまで有機農業に近い農法で、野菜も多品目を生産してきたが、場合によっては経営ポリシーを変えなければならないことも出てくると思う。規模が大きくなると、それを続けていたのでは、うまく回らなくなってしまうかもしれない。農業は、農産物を生産して農地を荒らさないということ自体、公共性が強くて非常に意義がある仕事だと思っている。どんどん状況が変わっていくなかでも、きちんと回していけるような農業をやっていけるようになりたい。柔軟に判断していくうえで、JGAPで学んだことを役立てたい」
(取材・文/平井ゆか)

■三浦 草平
合同会社みさき未来代表社員。1986年、福島県南相馬市生まれ。農業短期大学校卒業後、20歳で自家就農。4年後に東日本大震災で被災し、避難生活を経て2012年に新地町に移り家族と共に農業を再開した。2014年27歳にして合同会社みさき未来を設立。
■合同会社みさき未来(福島県相馬市)
2014年12月設立。水稲(3.5ha、コシヒカリ・天のつぶ・こがねもち)、野菜14~19品目(ハウス5棟)、鶏卵(採卵鶏約50羽、平飼い)。役員・従業員5人(本人・両親・妹夫妻)。コメは農事法人組合浜通り農産物供給センターに出荷および直販。野菜は直売所や野菜ボックス通販。
■JGAP認証 2018年5月15日取得
穀物(栽培・収穫・取扱い):コメ(籾・玄米)・大豆、青果物(栽培・収穫・取扱い):タマネギ、芽キャベツ、ホウレンソウ、サヤエンドウ、ニンジン、バレイショ、ナス、サトイモ、サヤインゲン、コマツナ、カンショ、カボチャ、ニンニク、レタス、ハツカダイコン、ダイコン、ハクサイ、トマト

資材の整理整頓が食品安全と経営につながる 会津むとう農園(福島県会津坂下町)

武藤氏は、地域でいち早くJGAPに取り組んだ。きっかけは2017年の初めに会津農民連がセッティングした講習会である。GAPを推奨する福島県の支援も受けられることと、農民連の事務局に勤める友人が、武藤氏をサポートしながら一緒に勉強したいと言ってくれたことが背中を押した。

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