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シリーズ水田農業イノベーション

スガノが乾田直播のコンビネーション播種で最高時速14kmを実現する「タインローラ」を発売


帯広展の来場者からは非常に好評だったそうだが、課題も抱えていた。パワーハローより軽いといっても重いことに変わりはなく、全長にも改良の余地があったのだ。出品機はコンビネーションシーダーの状態で、240cmタイプが135馬力以上、290cmタイプは海外製の135馬力以上でなければ適用不可だった。それから設計を見直し、機体重量で160kg近くの軽量化と全長も600mm短くすることに成功する。最終的に、240cmタイプで100馬力以上、290cmタイプでは国産機を含め135馬力以上と従来からみると低馬力対応を実現した。再設計にあたっては、重量を軽くしても強度は落とさず、簡素化して能力を最大限発揮できるようにしたという。
製品名は「タインローラ」で、4機種8型式になる。後方3点ヒッチが付いていないタイプも用意された。帯広展当時はスパイラルローラのみだったが、パッカーローラを加えたことで名称を変更している。昨年、スパイラルローラを北海道の砂質圃場で試験した際、地表にリングの凹凸が残りすぎ、播種深度で1、2cmの差が生じたという。そうしたところでは表層を細かく砕土して平らに鎮圧するパッカーローラのほうが適しているため、生産者がいずれかを選べるよう配慮した。スパイラルローラについては、中層を鎮圧する働きがあり、リングの溝が風害を抑えるほか、傾斜地では水の流れに強く、表土を流亡させない特徴を持つ。
乾田直播の実際のケースでは、均平から播種までに期間が開き、圃場が雨に打たれることもある。表層は硬くなっていくわけだが、これをパワーハローではなく、タインローラで土壌は動かさずにほぐしながら、最高14 km/時で能率的に作業してはどうかというのがスガノからの提案だ。マスカー製ドリルシーダー以外にも装着できるようになっている。4月から受注を始めた。

ローラを一新の新型スタブルカルチ

新型スタブルカルチは、耕起性能をそのままに、後端のローラを一新したほか、別売の油圧跳ね上げアタッチメントを装着することで、そのローラを跳ね上げて圃場の端から作業できるようになった。いずれも一部を除く旧機種にも取り付けられる。
まず、従来のローラは粘土質など圃場条件が悪いと土を抱える問題があった。その点を考慮し、土詰まりを大幅に抑えながら砕土性を向上させる水田用パイプローラと畑用パイプローラを開発した。もう一つのスパイラルローラについてはスタブルカルチで耕起すると同時に鎮圧したいニーズに応えたものになる。これを使えばスタブルカルチをかけた後の次の工程でトラクターが圃場に入ったとき、沈み込みがないという。作業幅190cm・6本爪から370cm・12本爪まで、3種類のローラを組み合わせた43型式をラインナップした。

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