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知っておきたい 世界各国の産業用ヘンプ

韓国 “死装束”から産業・食品・医療の各分野へ利用拡大の門戸開く



輸入解禁によるヘンプシードの流行

韓国では、48年に米国による政令によって大麻の規制が始まったが、その対象は外国産のインド大麻に限定され、昔から栽培されてきた在来種は除外されていた。しかし、76年に施行された大麻管理法ではすべての大麻草が対象となり、現在は2000年に統合された麻薬類管理法によって規制されている。この麻薬類管理法は、「THC含量による産業用の区別がない」「人体におけるTHC摂取量の基準がない」「種皮の定義があいまいでヘンプ食品のビジネスができない」という問題点を抱えていた。
ところが、15年1月に韓国・カナダ自由貿易協定(FTA)が発効したことで、同年に食品に含まれるTHC含有量の基準を0.2~5ppmに定めて、同年10月から輸入を解禁した。カナダヘンプフード社は、魚と肉の代替という切り口で、テレビCMを積極的に行ない、番組後40分で9000kgを販売し、翌16年には36億円の売り上げを記録した(図3)。残念なことに、ヘンプシードに重金属が含まれるという噂がインターネット上に出回り、流行は失速し、売れなくなった。現在、韓国市場ではヘンプシードの安全性の信頼回復に努めている段階である。
また、18年11月には東アジアで最初に大麻由来成分の医薬品輸入に道を開く、麻薬類管理法の改正を行なった。すぐさま安東市は、韓国国内での栽培復活のために規制を緩和してほしいという意見書を出した。01年に農村振興庁食糧科学院が開発したTHC含有量の低い品種は、韓国産ヘンプの産業化に十分な潜在能力を持っている。隣国のヘンプ産業は、伝統、産業分野での商品開発・普及、食品、医療利用の各方面での進展から目が離せない。

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