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今年の市場相場を読む

存在感ある野菜の背景には食文化 ニンニクの芽、シシトウ、トウガン、レッドキャベツ

野菜の国内生産は、この30年でひたすら、右肩下がりの減少の一途をたどってきた。ただし同じ減少といっても、時代とともに使われなくなって衰退しているもの、少子高齢化などで消費量が落ちる自然減のもの、景気の影響だったりブームが下火になるなどと、さまざまな理由がある。そのため、その品目が今後どうなっていくのかを考えるうえで、バックグラウンドを知ることが必要である。
普通の品目は量が減ったら単価が上がる。入荷減の単価安は衰退品目であり、入荷増でも単価高に向かっているものは成長品目だ。長く流通統計に載っている品目はそれなりの存在感を持っている。

ニンニクの芽 入荷は安定的推移。四川料理の食材に可能性を見る

【概況】
東京市場のニンニクの芽の入荷推移をみると、バブル崩壊後ほぼ15年経過した02年と18年の対比では、数量が半減以上の63%まで減少し、キロ単価では2・3倍になった(445t、466円/kg)。ある意味、非常に特殊な品目で、平成とともに輸入が増え始めた新野菜であり、入荷ピークはバブル絶頂時、93年で約1500t。現在でも98%が中国からの輸入品で、総量は大きく減ったものの、周年通じて安定入荷している。
【背景】
ニンニクの芽は、アスパラやブロッコリーなど他の輸入野菜がそうであるように、輸入品が日本の国内マーケットを作った後に国産がその需要を代替していく、ということはなかった。生産の旬は春から夏であり、少ないながらも千葉や茨城、佐賀などからの入荷もあるが、現在では中国からの輸入品が毎月、判で押したようにほぼ同量が入荷している。中国料理店などの業務用が中心であり、スーパーでも見かけるが、単なる品揃えの一環でしかない。
【今後の対応】
中国では蒜苗(ソンミョウ)といい、四川料理の本格食材だ。「回鍋肉」は、日本ではキャベツだが、本場四川の本物は蒜苗で作られる。中国には専用品種さえあるが、日本でニンニクの芽が伸びないのは、茎(花芽)がほとんど伸びない品種だからだろう。輸入ピーク時からは激減していても、入荷が安定しているのは四川料理の食材という食文化が支える存在感である。本格料理で掘り起こされると、一気にブームになってもおかしくない品目である。

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