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今年の市場相場を読む

存在感ある野菜の背景には食文化 ニンニクの芽、シシトウ、トウガン、レッドキャベツ


【今後の対応】
インド原産で中国、朝鮮半島を経て日本に到来したトウガンは冬瓜と書く。冬場を前に霜に当たったころ収穫したものが美味しいとされ、貯蔵して春~夏ごろまで食べることに由来する。主に関西以西でトロミのある煮物で使われる。味が浸みこんで美味しい。韓国でも汁物に多用される。中華・韓国料理でもそうだが、和食でも非常に存在感のある材料であり、機能性やヘルシーさもあり今後はインバウンドも含め、東日本でも見直される野菜だろう。

レッドキャベツ 3割増の6割高。トレビスの国産化成功まで役割継続

【概況】
東京市場のレッドキャベツは、02年対18年では数量は33%も増えたうえに、単価は64%も高くなった。増えたといっても18年の入荷量で1700t程度だが、ほとんどが業務用の食材であるため、その背景は興味深い。02年は、6~9月期の長野産が33%のシェア、冬~春には静岡(32%)、愛知(16%)が担当して周年供給。18年には44%増えた長野産がシェアトップの36%、次いで7割増の愛知(21%)と静岡(10%)が冬場担当だ。
【背景】
ただし、全体の供給に厚みが増したのは、春から初夏にかけての時期を3倍伸びた茨城が担っているからである。こうした供給体制が充実してきたのは、業務用として定着してきたことを意味する。増えても単価も高くなる現象がその証拠である。レッドキャベツは、ほとんどがサラダの彩りとして使われる。従来は、輸入品のトレビスがその役割を担っており、平成に入ってからも多用されてきた。しかしトレビスは仕入れ値で1個200円と高い。
【今後の対応】
そこで20年ほど前から、200円/kg程度のレッドキャベツへ転換する動きが活発化した。輸入物のトレビスや赤チコリから、国産のレッドキャベツやベビーリーフなどにシフトされた。ただし、輸入品で幅を利かせていたトレビスを、なんとか国産化しようという産地は多く、この10年でさまざまな挑戦が試みられたが品質が安定しない。今残っているのは岡山くらいだ。国内産トレビスが軌道に乗らない限り、レッドキャベツの役割は終わらない。

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