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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

費用対効果と投資対効果(6) 研修費・接待交際費編


ほかにも、最近は地域の関わりも増えてきたので、教育・福祉・商店街をはじめとする地元の異業種の人たちとの交流も増え、話題の幅がひろがりつつある。必然的に冠婚葬祭を含む交際費はかさむが、それ以上に得るものは多く、こうしたお付き合いを大事に考えている。
そんな異業種との出会いが功を奏して、数年来抱えていた命題に新たな展開が見えてきたので、その事例を紹介しよう。
その命題とは、収穫したアスパラを切りそろえる際に大量に出る「切り下」、これを廃棄しないで有効活用したいというものだ。この部位は皮が硬いのだが、栄養価は高く甘い。父は捨てるのはもったいないと、牛の餌に混ぜて与えていた。肥育牛なら「アスパラ牛」などと銘打って付加価値に転化できるところだが、子牛の場合はそれが難しい。そこで、野菜売場で「アスパラの切り下」という商品名で安く販売してみた。買ってくれた方は、皮を剥いて、茹でたり、天ぷらにしたり、漬物にして味わってくれるのだが、たくさんは売れない。
この試行錯誤の話を、仕事以外で関わりのあった異業種の社長さんにしてみたところ、相談に乗ってくれたのである。北海道産の太いアスパラは市場が大きいので、出荷時期が限られることが価値になる。一方の切り下は需要が少ないので、手に入る時期が限られることはデメリットになることを指摘してくれた。さらに、貯蔵性を高めて、年中使えるようにしたらどうか。具体的には、高水分だから傷むのだから、熱処理して乾燥させて、粉砕すれば、アスパラの栄養価そのままでパウダーにできるのではないかと、加工業者まで紹介してくれたのだ。
牛の健康維持に役立つだけでなく、食品に加工できるかもしれない。滋養強壮に効くなら、年中手に入ることが強みになるはず……。まだサンプル化の段階で、ビジネス化には時間がかかるが、研究開発のシーズが見つかったことに、ワクワクしている。そんな展開が見えてきたのは、普段のお付き合いのおかげである。

家族や従業員の伸び代は経営者の甲斐性次第?

余談になるが、家族以外にも従業員を雇うようになり、そのなかで気づいたことがある。自分を物差しに、彼らの仕事の得手不得手から性格までを評価して、その日の朝の仕事の割り振りや、取引先との交渉を行なっているのだ。これが経営者たるものであり、落とし穴でもあるかもしれないと思う。
例えば、自分が得意とする作業の場合、遅かったり正確さに欠ける部分を目にしたりすると、どうしてなのか理由を探る前に、もっと早く、正確にできないのかとストレスを感じてしまう。自分は簡単にこなせるから、さらに経営者は作業効率が下がるのが嫌いだから、当然のことだが、そういう事態がくり返されると、一人で済ませたほうが気楽でいいと思うようになり、人に任せることを避けて、規模を維持するだけでいいやと消極的にもなりかねない。

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