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【今年の市場相場を読む】
ウリ類果物の役割はどう変わったか スイカ/コダマスイカ/アールスメロン/アンデスメロン
- 第273回 2019年05月31日
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スイカ 過去30年で6割も入荷減少、自然に体温下げる機能で消費回復を
【概況】
東京市場のスイカ(大玉)の入荷推移を20年対30年で見ると、数量では15%減で、単価は3割近い28%も高くなった。入荷の減少率は思ったほど大きくないが、ピークだった昭和62年(1987年)には8万t以上の入荷があったことからすると、この30年間で6割も減って30年は3万3000tに落ち込んでいる。かつては真夏の7、8月にピークを迎える千葉産が2割以上を占めていたが、30年では5月がピークの熊本産が25%のシェアを持つ。
【背景】
スイカは近年になると、1~3、4月の「早出し」ものが減った。30年前の入荷最多だった時期からは5分の1、10年前からも半減に近い。いまや熊本は、スイカ本格シーズンを告げる5月に出荷ピークを持ち、同時に周年供給産地でもあり、不動のトップ産地だが、6月には千葉や鳥取が始まり、7、8月には加えて長野産が、8月からは山形産という、明確な役割分担の意識で産地リレーするパターンが定着し、過当競争を避けて各産地が販売安定化を目指している。
【今後の対応】
いまやウリ類は5月からのメロン、6月にはコダマが、7月からが大玉のピークへという、自然な流れになっている。徐々に大玉のカット販売で夏を迎え、8月には時折、1個売りできる相場もある。かつて真夏にはキロ単価が100円を切ると消費もついてきた。しかし近年では、安くても消費者は買わないというが本当だろうか。猛暑時には「スイカで自然に体温を下げる」機能を伝えつつ安く売る工夫をし、消費習慣を取り戻す努力が欲しいものだ。
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