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今年の市場相場を読む

ウリ類果物の役割はどう変わったか スイカ/コダマスイカ/アールスメロン/アンデスメロン


コダマスイカ スイカ6割減でも入荷量は変わらず、夏本番にどれだけ売れるかに挑戦を

【概況】
東京市場のコダマスイカを10年間対比すると平成30年は数量で9%程度減り、単価は32%も高くなった。5月から増え始め、6月に急増して7月までピークを作り、8月には激減する入荷パターンは変わらない。統計的にはこの10年対比で9%減っているが、じつは入荷量そのものはスイカ類の入荷が最多だった30年前とほぼ変わっていない。ただし、かつてシェア6割以上だった主産地・茨城は、いまは4割を割り込んだ。
【背景】
30年前には茨城と群馬でほぼマーケットを独占し、他は千葉産が補完していた。その後は徐々に地位が低下した。いまでは、茨城も群馬もシェアは半分になる一方、早い時期には熊本が、5、6月には千葉が、7月には新潟、8月以降には山形がそれぞれ出荷を増やして産地が分散化傾向にある。コダマは昭和の時代に「冷蔵庫スイカ」などと呼ばれ、丸のまま冷蔵できることをうたい文句にデビュー。冷蔵庫に入らない大玉と差別化できる商品として登場した。
【今後の対応】
産地や市場も、重くて大きい大玉から、持ちやすく収納性も高いコダマに人気が移るだろうと予想したものだ。スイカは30年前の6割減だが、コダマについては増えないまでも減っていない。シェアは8%から17%へと、結果的にはその地位は倍増した。しかしこの間、大きく消費減だったゆえに、さまざまなカット販売に工夫を凝らした大玉に対し、コダマは夏本番を前に一定量は売れる品ぞろえに安住している。7、8月の需要期にどれだけ伸ばせるかが課題だ。

アールスメロン 過去30年で7割以上も入荷が減少、産地の地元地域でのブランド化必要

【概況】
東京市場のアールスメロンは、20年対30年の過去10年では数量37%もの減少で単価は20%高くなった。過去で入荷ピークだった平成2年と比べると、73%もの大幅減だ。だが、単価は当時より12%安い。衰退品目のごとく異常な推移をしてきた背景に、経済情勢と需要構造の変化がある。バブル崩壊と企業など大口の贈答需要の大幅減。経済情勢は10年前には落ち着いたはずだが、アールスは平成時代をひたすら右下がりに推移してきた。
【背景】
かつては7月と12月、中元と歳暮期にそれぞれ年間の12~13%に当たる数量が入荷していたが、その後の一本調子の入荷減のなか、入荷量ピークはほぼわからなくなった。中元期の7月に静岡産のシェア55%、歳暮期には2位を堅持してきた熊本がほぼ半数を占め、静岡は30%とそれぞれ突出している。面白いことに、全盛期から入荷は大幅減でも、シェアは静岡が常に40%以上を保ってきた。あとは茨城、熊本、高知、青森、山形などが一般需要を埋めている。

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