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新・農業経営者ルポ

新規参入のアウトサイダーから地域の若手を束ねる存在に


コメはもともとコシヒカリ、ひとめぼれ、はえぬきを3本柱にしていた。徐々に求められるコメを努力して作る方向にシフトし、業務用を増やした結果、多収米の割合が高まってきた。今年は面積の多い順に萌えみのり、つや姫、つきあかり、はえぬき、ひとめぼれ、コシヒカリ、雪若丸、あきたこまち、ササニシキ、山形95号を作る。多収米の萌えみのりとつきあかりが面積の4割を占める。
いずれ10a当たりのコメの収入が10万円になっても戦える体制にしたいという。
「10a10万円で、経費が5万円台で、4万円が手元に残れば、1人40haを管理するとしたら、1600万円のもうけになり、給料を1000万円にできるかなと」
先進的な経営体が1人50haを生産するのを手本に、1人で管理できる面積を広げる。コストを下げるため、周辺の同規模の法人だと2台持っている田植機を3年前から1台に減らした。
「1台の田植機で3、4人で作業するほうが断然安いし、収量も変わらない」
1シーズン、たった20日しかしない田植えのために、機械とオペレーター、作業者を余計に使うのはもったいないと判断した。

部門ごとの独立採算制

「補助金や景気が良くてもうかった人が、景気が悪くなると、国にしか文句を言わない。いい歳してそうなっている人を見てきた。米価が高いいまは準備段階で、人材育成と環境整備がやるべき仕事だと思う」
経営の特徴は、社員それぞれが半ば独立した、独立採算制を原則とする運営をしていることだ。齋藤と共に生産に従事する20代と30代の3人のうち、男性2人に田んぼを、女性1人に畑を任せる。
「田んぼは1人に25haずつ任せる。田植えは共同で作業してあとは自由に管理させる」
畑作は、アスパラガスを1ha、コンニャクを2ha、大豆を8.5ha作る。山形県はコンニャクの消費量が日本一を誇る。コンニャクを製造する食品会社と契約栽培をし、安定した取引ができている。5年以内に10haまで拡大する方向だ。コンニャクは定植が6月で、収穫は稲刈り後になるため、作業が重ならず、日ごろの管理が楽だという。
担当する女性従業員が、コンニャクの生産を頑張って4年以内に1000万円の給料を取れるようにしたいと意気込んでおり、挑戦するならやってみたらいいと背中を押している。それぞれの部門が協力しつつ、独自に達成すべき目標も持ち、各自が最善を尽くす運営を目指す。生産部門の平均年齢は弱冠34歳。それぞれのモチベーションを高め、競い合いながら経営全体を良くしようとしている。

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