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新・農業経営者ルポ

新規参入のアウトサイダーから地域の若手を束ねる存在に


メンバーの農地は一部重なりつつあり、今後、一層面積を拡大し、互いに農地を交換し合って効率化するつもりだ。
「集落営農が崩壊して、50ha、100haの集落の農地がポンと出たとき、メンバーが20人くらいいれば、1人が数haやれば処理できる。新規就農者をF.A.I.Nで2、3年かけて育てることもあり得る。独立後はメンバーの中古機械を使ったり、乾燥・調製施設や倉庫はメンバーのものを借りたりすることもできる」
発想はとことん柔軟だ。

広域連携まで構想膨らむ

「皆5000俵のコメを持っているなら、集荷業者にマージンを取られるようではダメだ。いずれ間に業者を挟まず、すべて自力で売るようにならなければ本当の経営者ではない」
こう言って互いに激励しているそうだ。F.A.I.Nという組織を活用して意識改革と経営の合理化をし、年間の給与が2000万円になったらOBになるという構想だ。
「たぶん皆すぐにそのくらい稼ぐようになる」
メンバーが課題だと感じているのは「老害」と「貸す貸す詐欺」だ。「貸す貸す詐欺」とは、「俺がやめたら、全部お前さ農地やるからの」と口約束をしておきながら、ふたを開けてみたらほかの人に貸していたというものだ。離農するときはどうしても親戚を優先することになり、口約束が御破算になることは珍しくない。メンバーにははんこを押してもらうくらいでないとダメだと話している。
多収で冷めても食味が保てるつきあかりをF.A.I.Nで今年、山形県の産地品種銘柄にしてもらうよう要望し、認められた。これまで「その他のうるち」としか表示できなかったのが品種を表示できるようになる。品種をうたえるかどうかで販売価格は変わる。米の里で7haを、グループ全体で30haを作付けしており、来年以降さらに増やす見込みだ。
「普通、こういうことは農協とかしかしない。グループでやっているからできること」
F.A.I.Nに関心のある若手が宮城県、新潟県、静岡県におり、相談を受けている。
「同じような組織を立ち上げてくれたら、東日本で共同購入したい。メンバーが300人いたら、10年で1回農機を購入するとしても、年間30台のコンバインやトラクターを買うことになる。農機具も農薬・肥料も大量に買うから、ミニ農協の東日本バージョンができれば」
既存の枠組みを軽々と飛び越え、連携していく。そんな鶴岡発の新しい風が全国に吹きわたっていくのではないかと感じた。 (敬称略)

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