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専門家インタビュー

土壌学者(ペドロジスト)に聞く農地の土壌との付き合い方 後編~土壌断面調査から読み解く土づくり~


――今日は貴重なお話をありがとうございました。

注)トヨタ財団の2013年度研究助成プログラム『自然資源の持続可能な保全に向けた制度設計 ―(仮称)土壌保全基本法の制定に向けた制度設計』の概要は下記URLを参照のこと
http://toyotafound.force.com/psearch/JoseiDetail?name=D13-R-0053

イベント報告 第9回 農業環境インベントリー研究

大倉利明氏の遺したメッセージ
圃場の土壌の成り立ちを理解し持続可能な土壌管理へ―20世紀の土壌認識論から21世紀の土壌解釈論へ―

去る2月28日に、農研機構・農業環境変動研究センターが主催する第9回農業環境インベントリー研究会がつくば国際会議場で行なわれた。今年の研究会のテーマは「土壌情報」で、おもに土壌資源評価ユニットのメンバーが企画・準備を進めてきた。例年との違いは、行政部局や研究開発機関、大学・民間の研究者らが参集する研究会の場に、農家・農業法人の参加を呼びかけたことだ。研究成果が研究機関あるいは研究者だけでなく、実業に携わる農業経営者にも役立つものであるべきだという発想に基づく。その趣旨に賛同した関東甲信越土を考える会の会員らが、冬期研修会のプログラムとして参加したのである。会場は満員の熱気に包まれることとなった。
6人のスピーカーが登壇し、「土壌情報」に関わる農業施策、自治体や国による情報発信の取り組み、農業経営者による農地管理の事例について、それぞれ発表した。
残念なことに、6人目に登壇した大倉利明氏にとっては最期の講演となった。「土壌インベントリーとは、土壌を資産として記録すること」だという。会場のロビーには、わが国の10種類の土壌モノリスと全長6mに及ぶ巨大なモノリスが展示された。約30分の講演は、近現代の科学だけでなく歴史や思想にも造詣が深いことから、会場に集まった研究者、行政関係者、農業者など土壌に感心を寄せるさまざまな立場の人たちに響くメッセージだった。その一部を抜粋して掲載したい。

■農地土壌は自然と人間が共同でつくってきた
そもそも論として、土壌がどのようにできたのかを知ったうえで、土づくりや作物生産に向かっていく良さが、改めて取りざたされています。約10年ほど土壌調査をくり返しながら、作土と下層土をを合わせた土壌体全身の成り立ちと、人手の関わり方によって土をどう変えてきたのかについて、私との対話を通じて初めて知ったという方が非常に多くおられます。

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