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特集

さらにラウンドアップの風評を正す


陪審員はボラノス裁判官に対し、評決を変えないよう促す反論レターを送付すると同時に、その全文をマスコミに公開した。内容はといえば、原告のジョンソン氏の気持ちや死が近い状況に心を寄せる感情的なものだったが、その後、裁判官は黙ってしまった。マスコミによる世論の影響や反モンサント活動家から働きかけがあったかどうかわからないが、裁判官でさえ合理的な判断を下せない状況になっているようだ。
最終的には、ボラノス女史は懲罰賠償額を7800万ドルに減額するとの結論を下した。なんとも中途半端な額だが、裁判官としての抵抗の表現なのか。詳細はわからない。
(次号の後編に続く)

オランダでのラウンドアップを取り巻く状況 レスポンシブル(責任ある)イノベーションから考える社会受容のためのコミュニケーション

オランダに約4年半滞在し、その間、農業関係の取材や現地の大学で農村社会学を学んだ紀平真理子氏。帰国後はmaru communicateを立ち上げ、国内外の農業に関するリサーチや執筆など、多岐にわたるサービスを展開している。そんな彼女がオランダでのラウンドアップについての現状とレスポンシブルイノベーションの視点から鋭く迫った。

どんな除草剤であっても、使用すると雑草が枯れることは当たり前だ。オランダでは、ラウンドアップ反対派からこの枯れた雑草がある光景は“黄色の圃場”と呼ばれる。まるでラウンドアップを使った場合にのみ、圃場が「黄色に変わる」かのように、関心のある一般市民がその圃場の写真をソーシャルメディアで共有、拡散している。また、市民が誰でも場所や日時も入れて写真を投稿できる環境保護団体が運営するサイトまで存在する。
インパクトのある写真や映像は時に、消費者の意識を良くも悪くも大きく変える場合がある。ラウンドアップに関しては残念ながらフェイク写真も多く出回っている。一区画のみ黄色に変わった圃場を含めたインパクトがある写真や短い映像を、ラウンドアップがまるで特別であるかのようにソーシャルメディアに投稿することは、農業のことをあまり知らない消費者の目を向けるには有効かもしれない。反GM団体は、デザイナーやアーティスト、デザイン学校に通う学生ボランティアと共にキャンペーンを行なう。緑の党が“黄色の圃場”に「あなたが食べているものは何か知っている?」というキャッチコピーのプレートを置き、この写真がソーシャルメディアでシェアされ、消費者の意識を向けさせるキャンペーンを展開している。使用時期になると、グリホサートに関する議論は活発化する。

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