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特集

さらにラウンドアップの風評を正す


昆 世界の農業経営者にとって、“雑草”は深刻な問題で、ヨーロッパではプラウの使用が増えていると昨年のイタリアの展示会で聞きました。今後、ラウンドアップの使用が規制されたとして、新種の除草剤開発には時間とコストがかかります。EUの農業関係者や専門家もラウンドアップ問題はおかしいと一様に首をひねっていました。
唐木 ラウンドアップ問題でEUや日本の政治が動くとしたら、農産物に実害が出て、食料生産に影響が出たときでしょう。
昆 そもそもGMO(遺伝子組換え作物)の育種は、米国中西部の自然の脅威に対する対策として誕生しました。
唐木 あの中西部の厳しい環境と比べればEUや日本農業の自然環境は恵まれています。その恵みのせいで、漠然とした不安が残る新しい技術を使わなくても、古い技術のままやっていけるという甘えが生産者にも消費者にもあります。
昆 私が解せないのは、医療の世界ではGMの新薬に関して何も言わず、むしろ歓迎していることです。
唐木 危険性があるかもと指摘されるものでも、自分に直接的なメリットがあるとリスクを忘れる。クルマの運転、酒・たばこも同じことでしょう。その意味で、日本のGMO失敗の要因は、一つがスターリンクトウモロコシ事件、もう一つは消費者のメリットを打ち出せなかったことにあると思います。
昆 消費者メリットに直結するGMOとして期待された花粉症緩和米のイベントに出席した際、一向に生産現場に降りてこないと試験研究機関に文句をつけたことがあります。
唐木 いや、花粉症緩和米が実用化しない最大の要因は、厚労省と農水省の縄張り争いです。花粉症の症状緩和と治療効果もある緩和米は、薬機法上の医薬品だという厚労省の主張が通り、農水省は手出しできなくなってしまったんです。それこそ政治がGM推進策の目玉として特例扱いとする政治決断をすべき案件でした。花粉症緩和米がスーパーで買えるようになっていたら、消費者もGMOをすんなり受け入れていたと思います。その好機を逃し、いまの政府の関心は消費者の否定感情が強いGMではなく、ゲノム編集に移っているようです。

【風評被害にどう対応するか】

昆 反GM活動や反捕鯨団体がこれだけ活発に行動できるのは大口のスポンサーがいるからだと思うのですが。
唐木 彼らはどこからか資金を得なければ運動を続けることができませんし、実際に大口のスポンサーはいます。さらに資金を得るために、問題にどう火をつけるかを彼らは日夜考えています。我々はゲノム編集に火がつかないようにすること、ラウンドアップのように火がついた問題にどう対応すべきかという二つの問題に直面しています。

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