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特集

さらにラウンドアップの風評を正す


昆 活動家の妨害にどう対応していくべきでしょうか。説得しても聞き入れてもらえないでしょうし、下手に説得しようとすると実力行使に出られる危険性もあります。
唐木 日本も適切な反撃をすることを真剣に考えないといけない時期に来ていると思います。これまでは毎週、「危ない食品」とか「危ない食品添加物」とかの特集を週刊誌などに出されても、名指しされた外食産業や冷凍食品会社は何もしてきませんでした。我々のところに相談には来ても、結局は行動に出ることはなく、黙っていれば嵐は過ぎ去ると沈黙を貫いてきたわけです。1社で反撃してネットやSNSで炎上し、不買運動でも起こされたら困るという事情もありました。しかし、黙っているだけでは嵐は過ぎ去らないことに気づくべきです。
1社で無理なら、業界団体や食品業界を横断する団体を新たに作って反撃する。たとえば、雑誌向けにジャンク情報やフェイクニュースを流す特定の評論家相手に内容証明を送ったり、賠償請求訴訟を起こすんです。訴訟や勝訴の前例という抑止力を持てば、ジャンク情報やフェイクニュースの度合いもトーンダウンしていくでしょう。アメリカの専門家に日本の事情を話したら、「巨額の賠償を請求されるから、アメリカのメディアはやらない。日本ではいくらの損害賠償を請求したのか?」と金額を聞かれたくらいです。
もう一つは、科学的な情報を広めることに理解がある政治家を育て、国政と地方政治を少しでも変えていくことが重要だと思います。
昆 ジャンク情報やフェイクニュースに対応するのに加え、メディアが正確な情報を伝えるという本来の役割を果たさないといけませんね。前号で特集して痛感したのですが、あれだけラウンドアップを販売しているJA系のメディアをはじめ、他の農業メディアはこの問題をまったく取り上げていません。これは農業メディアの怠慢であり、責任問題です。
ラウンドアップや同系統の農薬がどれだけ生産現場で使用されているか。今後使用が規制されたら、農業経営者がどれだけ損失を被るのか。農業メディアはその現実を知っているにもかかわらず、黙して語らずです。無農薬・無添加の過剰な持ち上げ方も、生産者の足を引っ張っていると思います。
唐木 大手をはじめ小売業は消費者が買ってくれるものを売るから、無農薬・無添加の流行りに乗り、農薬=悪のイメージを増幅させてしまっています。この悪循環を断つには、急がば回れですけど、まず科学教育とリテラシー教育の徹底、次にフェイクニュースを訴訟で叩いて排除していく、それと膨大な人手とコストがかかりますが、メディアのファクトチェックシステムの構築が必要でしょう。

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