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江刺の稲

スペインのニンニク用機械で将来の農業を考えた

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第276回 2019年06月28日

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北海道紋別市のナカザワアグリマシーン(株)の山田俊作ダニエル代表がスペイン人のカルロスさんとともに来社された。カルロスさんはニンニク用機械に特化したスペインの農機メーカーJJBROCH社の方で、同社は種子処理から播種、収穫、乾燥・調製までの一連の機械を扱う世界で唯一のニンニク専門メーカーである。ナカザワはその輸入元になる。
ナカザワは、農機の輸入代行や日本では珍しい機械の輸入を手がけている会社で、本誌読者でもお世話になっている方は少なくない。しかも、同社の場合、商社を介さず販売店レベルの会社として輸入を行なっているため、大手よりもはるかに安い価格で調達が可能だ。以前、イタリアのEIMA展で見た移動式の穀物乾燥機を紹介したが、その乾燥機を北海道だけではなく、府県の試験研究機関にも同社が輸入・販売している。
さて、両氏はニンニクに関しての情報が欲しいと訪ねてこられたのだが、僕はその筋に明るいわけではない。ただ、カルロスさんのレクチャーを聞くうちに、同社のニンニク用機械の意義だけではなく、その話を通してニンニク生産に限らず、日本の農業経営者がこれからの時代に取り組むべき経営課題が明確になっていくのを感じた。
水田への畑作技術体系の導入や子実トウモロコシ生産を語るとき、面積当たりの収益より投下労働時間当たりの収益で経営を考えるべきとは本誌がいつも触れてきたことだ。日本の農家にとってあまりにも慣れ親しんでしまっている慣行の水稲生産技術やコメではなく、ニンニクというマイナー作物の生産であればこそわかりやすいかもしれないからだ。

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