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副編集長インタビュー

新たなレンタルシステムで農業に改めてかかわっていきたい (株)諸岡 代表取締役兼CEO 諸岡正美


現在、ゴムクローラトラクターは販売していません。最終的に実売台数は1000台に達しましたが、社内でその事実を知る者はいまや皆無に等しいです。農業とのかかわりが以前に比べ薄くなったものの、改めてもう一度農業の分野で役立ちたいと考えています。

レンタル事業を展開中

当社では2016年に諸岡レンタル(株)という会社を立ち上げました。ゴムクローラトラクターを取り扱っていたころは販売だけを念頭に置いていましたが、なんでもかんでも個々に所有する時代ではもはやないでしょう。シェアリングやレンタルもあってしかるべきです。購入までには至らなくても、ゴムクローラフォークリフトを野菜の収穫に1週間使いたいといったようなニーズを実際につかんでいました。
レンタル会社というと農業機械関係であれば農業機械のみを貸し出す専門店が一般的でしょうが、我々の場合は取引先が建設業や林業、環境、そして農業と多様ですので、業種を問わない方向で進めています。通常は対象になっていないようなものまでラインナップすることでお客様の利便性を高めます。ポイントは農業に限らずということです。たとえば、ゴムクローラフォークリフトは農作物に限らず、事業用太陽光パネルの運搬にも使われています。また、圧倒的に土木工事現場での使用頻度が高いキャリアダンプは、大規模農家が収穫現場で利用することもあり得ます。こうして視点を少し変えて事業を行なっていきます。

既存機械も発想次第で使用法はアレンジできる

現在、当社の海外売上比率は2割超です。そもそも我々は日本市場向けに機械を設計しているのではなく、ドイツやオーストラリア、アメリカ、カナダを想定しています。ゴムクローラ式の各種機械が世界各地で運用されているわけですが、その様子を動画配信サイトのYouTubeで拾いますと、ベース車両を改造して小麦や飼料用トウモロコシの収穫で伴走させてトレーラー代わりにしていたり、スラリーインジェクターにしているものがあったりします。これらは投稿されている一例であり、我々が把握していないものも含めれば相当でしょう。つまり、既存の機械であっても発想次第で使用法はアレンジできるということです。欧米の人たちは意外に接地圧を気にしますのでそこも関与しているでしょう。
もう一つみなさんと一緒に考えたいのは「モービルファクトリー」です。英仏でもどこでも野菜の収穫現場でトラクターがトレーラーを引っ張っています。そこがファクトリー(工場)です。トレーラーの中に発電機を置いてあり、たとえばブロッコリーを30mとかに広げたベルトコンベアに作業員が載せていく仕事をしています。箱詰めまでしてしまうから驚きです。日本の感覚では収穫したものを集荷施設まで持っていき、そこで箱詰めでしょうが、圃場で完結させてしまいます。ちなみに、北海道でこのような使い方をしているユーザーもいます。こうしたことも共に創造していければと思っています。(談)

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