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【今年の市場相場を読む】
“強精”という機能性を持つ野菜 ニンニク、オオバ、セロリ、アスパラガス
- 第274回 2019年06月28日
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ニンニク 16年間で半減して単価は3倍以上、漬けるなど加工提案で消費量拡大を
【概況】
東京市場のニンニクの入荷推移を2002年と18年で対比してみると、入荷量は55%も減り、単価が3.2倍にもなった。一連の消費者による中国産敬遠風潮で輸入品が激減した、非常に象徴的なケースだ。00~02年ごろは中国産の輸入がピークだった時代で、以降減少傾向に転じるが、この年は東京市場にはニンニク全体で7500t、うち中国産シェア53%も。18年は、全体で3300t、だが中国産はほぼ半数だ。
【背景】
ニンニクは貯蔵性が高く、需要も年間安定しているが、それでも02年ごろは夏場に入荷が多かった。これは本来の収穫期が5~8月であることと、小売店での中国産の売れ行きが順調だったのは家庭用のスタミナ料理向けだった。何しろ単価は平均価格の3分の1、最も高い青森産の5分の1だから、売れたのである。ニンニクの強精成分はスコルジニン、もう一つの主要成分のアリシンには強い殺菌作用があり、体内でビタミンB1と同じ効用がある。
【今後の対応】
B1は筋肉代謝を高め、スコルジニンは心臓の働きを強める。ただし、食べ過ぎると胃を荒らし、血圧上昇や肝臓障害を引き起こす。一方、殺菌作用と胃腸を温める効能があるため、老人の冷え性に向く。いずれにしても、家庭での生鮮品の使用量はわずかなもので、たくさん使ってもらうためには蜂蜜漬けや酢漬け、ニンニク酒などの加工提案が必要だ。そのためには漬物用の安価な格外品も用意したい。放置すると中国産の捲土重来もある。
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