記事閲覧
【江刺の稲】
貿易交渉が始まると昔帰りする農業界
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第277回 2019年07月31日
- この記事をPDFで読む
当時、ホンダはこまめを農家向けというより都市部の医師や高収入のサラリーマン層に向けた新しいホビーとしての家庭菜園を対象とするマーケティング戦略を採った。青い空や白い柵に囲まれた菜園、ジーンズのつなぎを着たニューファミリー、5ドアのファミリーカー。その宣伝方法も山手線、中央線などの中吊り広告だった。ミニティラーはヒットしたが、買ったのは農家だった。2馬力縦軸シャフトでエンジンの重量を駆動部にかけて小型軽量でもそれなりの仕事をするという機能的にも新規性があり、それはいまに至る定番商品となっている。
農機具の業界紙で働いていた僕はそのヒットについて“ミニティラー・ムーブメント”というタイトルを付けて記事を書いた。農村や農家の変化とやがて農村部に成長するであろう、農家自身を含む趣味としての農業や田舎暮らしに向けての農機業界の新しいビジネスチャンスについてだった。
農機具の業界紙で働いていた僕はそのヒットについて“ミニティラー・ムーブメント”というタイトルを付けて記事を書いた。農村や農家の変化とやがて農村部に成長するであろう、農家自身を含む趣味としての農業や田舎暮らしに向けての農機業界の新しいビジネスチャンスについてだった。
会員の方はここからログイン

昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
ランキング
WHAT'S NEW
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2020/12/17)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2020/08/07)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2019/12/12)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2018/12/25)
