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農業は先進国型産業になった!

日本ワイン比較優位産業論 現地ルポ 第7回 日本の食文化を表現世界と勝負するワインをめざす ドメーヌ タカヒコ(北海道余市町)


標高60mの丘の上にある農場は、圃場の下側から見ると、風化した礫、砂、粘土(火山性)が混ざりあった、水はけの良さそうな土壌の地層を見せていた。

3 繊細なワイン造りたい

ドメーヌ タカヒコは、2010年オープン、経営耕地面積4.5ha、作付面積2.5ha(3.5haまで可能)、ブドウ12t(買いブドウ含めると15t)、ワイン生産1万5000本(750ミリリットル)、売上高3000万円である。畑はビオロジック(有機栽培)で管理されたピノノワール(9000本)が植えられている。規模は小さいが、世界レベルのワイン造りを目指している。
自社畑のほか、買いブドウもある(3t、登地区1戸40a)。ブランドは区別しており、自社畑のワインは「ナナ・ツ・モリ」(3800円)、買いブドウで造るワインは「ヨイチ・ノボリ」(3500円)である。出荷先は100%酒屋さん(全国100店舗)で、日本酒並みの掛け率で卸している。通常、ワインは6掛けと言われており、日本酒並みはかなり高い掛け率である。ドメーヌ タカヒコは評判がよく、引き合いが多いからであろう。
世界と勝負できるワイン造りを目指す曽我氏のワインはどんなものか。曽我「濃くて余韻が長いワインの世界より、繊細(薄い)ながらも深く幅があり、余韻が長いワインの魅力を感じております」「そのようなワインを日本で造るには、水はけの良い火山性土壌と適度に雨が降る風土で育ったピノノワールであることが大切です。それも暖かいエリアでなく涼しい気候エリアで」。
余市、登地区の農場は、まさしくその条件を満たしている。ピノノワールを造るには余市以外はないと思い、余市に立地した。この圃場はもともと果樹園だった。
リンゴ主体にサクランボ、プルーン、洋梨など7種類の果樹が栽培されていた。それをピノノワールに植え替えた。
ピノノワールは優雅なワインになるけれど、気難しいと言われる。冷涼な気候を好むため、どこでも栽培できるわけではない。曽我氏はそれに挑戦しているわけである。
栽培はビオロジックである。醸造は、ブドウを房ごと仕込む全房発酵という方法をとっている。梗や茎の部分も一緒に仕込むと、醸造時の温度変化が緩やかになり、ワインに複雑な風味や艶やかな舌触りを与える。
その上、果梗のタンニンが加わるので、味わいの構成力がしっかりするようだ。火入れはしない。フィルターもかけない。無濾過で上澄みを取っている。そのほうがブドウの持つ本来の香りと味が残る。

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