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【実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!】
事業拡大と経営者の自己実現(1)
- 齊藤義崇
- 第56回 2019年07月31日
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わが家の最近のニュースといえば、アスパラガスのハウスを5棟増やしたことである。昨年まで牧草を収穫していた圃場に、あーでもないこーでもないと言いながら秋にプラウをかけて、ベッドを作り、今年の春に植え付けを済ませた。
現在のアスパラガスの作付けは、長さ90mのハウスが12棟。新しい5棟に植えた木が順調に育って収穫できるようになれば、現在の約1.4倍の生産規模になる。
ハウスの骨材に苗立ての資材、種などを含めると1棟当たりのコストは約200万円、5棟で約1000万円を投じた。しかし、納得のいく太くて甘いアスパラガスを収穫できるような木を育てるのに3年はかかる。その間は、“畑の豚”と言われるアスパラガスだけに、肥料代やら年5回の防除やら、作業時間とコストばかりかかってお金にならない。和牛繁殖で生じる堆肥を有効活用するので、肥料代はよそに比べれば約5分の1である。それでも収穫が本格化するのは4年後だから、それまで耐えられるか。いくら予算では採算がとれていても、ときには不安になることもある。
なぜ増棟に踏み切ったのか。単純な思いとしては、わが家のアスパラガスを美味しいと言って買いに来てくれる人が増え、届けられなくなってきたから。俗に嬉しい悲鳴と言われるありがたい状況である。同時に、アスパラガスの生産を通じて、需要に応えることは利益を生むことだとわかってきた。需要に応えた結果、お客様に喜ばれて、働く仲間が増えて、会社の利益が増えるのはもちろん嬉しい。そんな意味合いを持つ事業拡大だが、さらに「求められるものをつくる」ためには、努力も決断力も必要だと改めて強く感じるようになった。
ハウスの骨材に苗立ての資材、種などを含めると1棟当たりのコストは約200万円、5棟で約1000万円を投じた。しかし、納得のいく太くて甘いアスパラガスを収穫できるような木を育てるのに3年はかかる。その間は、“畑の豚”と言われるアスパラガスだけに、肥料代やら年5回の防除やら、作業時間とコストばかりかかってお金にならない。和牛繁殖で生じる堆肥を有効活用するので、肥料代はよそに比べれば約5分の1である。それでも収穫が本格化するのは4年後だから、それまで耐えられるか。いくら予算では採算がとれていても、ときには不安になることもある。
なぜ増棟に踏み切ったのか。単純な思いとしては、わが家のアスパラガスを美味しいと言って買いに来てくれる人が増え、届けられなくなってきたから。俗に嬉しい悲鳴と言われるありがたい状況である。同時に、アスパラガスの生産を通じて、需要に応えることは利益を生むことだとわかってきた。需要に応えた結果、お客様に喜ばれて、働く仲間が増えて、会社の利益が増えるのはもちろん嬉しい。そんな意味合いを持つ事業拡大だが、さらに「求められるものをつくる」ためには、努力も決断力も必要だと改めて強く感じるようになった。
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齊藤義崇 サイトウヨシタカ
1973年北海道生まれ。栗山町在住。昨年、普及指導員を退職し、実家の農業を2014年から営む。経営は和牛繁殖、施設園芸が主体。普及指導員時代は、主に水稲と農業経営を担当し、農業経営の支援に尽力した。主に農業法人の設立、経営試算ソフト「Hokkaido_Naviシステム」の開発、乾田直播の推進、水田輪作体系の確立などに携わる。
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