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今年の市場相場を読む

福島産野菜類への風評はどうなったか キュウリ/インゲン/アスパラガス/豆モヤシ


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インゲン 出荷が減っていても夏の主産地維持、先発・先進産地としての底力に期待

【概況】
東京市場のインゲンの入荷推移は、12年対18年で数量は26%減で単価は25%高くなっている。産地は、12月から4月ごろまでは沖縄が5割程度を占め、7~9月の夏場は福島が6~7割を占める圧倒的な主産地だった。震災前には沖縄と福島がそれぞれ20%程度のシェアで主産地を保持していたが、12年には福島産はやはり2割弱減ってシェアも17%に、単価も平均より3割も安い。12年対18年は全体26%減に対して福島は4割減だ。
【背景】
18年でシェアトップが29%の沖縄。福島は14%で2位と下げたが、同じ時期に茨城、群馬、青森などが出荷量を増やして補完。しかし、震災前の10年のほぼ半減となった。18年の単価は平均より9%ほど高い。10年より2割も高い。また、相変わらず7~9月のシェアは5割を超えた。全体に入荷量は漸減傾向で推移している中で、やはり夏の主産地は福島だ。減らしながらも供給継続を意識しているのか、風評等もあって減らしても、結果、主産地なのか。
【今後の対応】
豆類野菜は、12月の沖縄から始まり、鹿児島、関東を経て夏場には福島に到着。だが、夏場の豆類はとくに手間がかかり、高齢化や人手不足のため生産継続できない産地が多い。福島県はそもそも、JAや品目別部会などの組織的な取り組みで工夫を凝らすなどで、産地を維持してきた。近年、幅広インゲンが売れているが、福島ではすでに昭和の年代からサーベル、マンズナルなどの新品種試作など、主要産地としての役割を担ってきた底力なのだろうか。

アスパラガス 初夏から秋口までを担う重要産地に、露地栽培でも会津産なら拡大可能か

【概況】
東京市場のアスパラガスは、12年18年対比では数量は12%減り、単価は26%アップした。震災を挟む10年対12年では数量は単価とも1~2%範囲でほぼ変わらず。一方、福島産は4割近く減少したが、単価は1割強安くなった。後進の佐賀、長崎が年明けから初冬までの長期どり産地として成長してきたが、冬春のメキシコ産、初夏から秋口までは福島産、そして秋冬のオーストラリア産という産地リレーが基本であった。
【背景】
福島産は12年には入荷量も単価も影響を受けたものの、5月から9月までのシェアはそれなりに保持していた。しかし、18年になると、メキシコは量を増やして21%が断然トップ、福島は5%まで落ちた。補うように、栃木が長期どりの作型にチャレンジしており、シェアも14%に上がって春から夏の供給力を増している。アスパラは、九州の長期どり産地が安定的に拡大し、春と秋の供給が充実してきたが、依然として夏場の供給が薄く、いまでも端境期状態である。

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