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イベントレポート

「ゲノム編集技術を利用して得られた食品等に関する意見交換会」in仙台


また、情報提供書の届け出をする前に、案を作成した時点で相談をするように求めている。農林水産省が事前相談を求めたのは、新しい試みであるため、開発者ら側の不安を取り除くためでもある。必要に応じて学識経験者に意見照会する。届け出された情報提供書は農林水産省HPで公開する。
【食品衛生法に関する対応】
厚生労働省は、前述のとおりゲノム編集の技術は3つ、扱いは2つとした。取扱要領からゲノム編集の定義を引用する。「ゲノム編集技術とは、特定の機能を付与することを目的として、染色体上の特定の塩基配列を認識する酵素を用いてその塩基配列上の特定の部位を改変する技術と定義する。なお、最終的に、外来の遺伝子及びその一部を含む場合は組換えDNA技術に該当するものとする」
意見交換会では、ゲノム編集技術を利用して得られた食品と添加物について扱いを説明した。
1.従来の育種技術でも起こり得るリスクにとどまるものは、届け出と公表をする。
2.従来の組換えDNA技術応用食品と同じようなリスク管理が必要とされるものは、安全性審査を行なう。
つまり、技術ベースではなくプロダクトベースで分けるということである。実務上は、はじめに開発者らが厚生労働省に事前相談し、届け出のみ、または、安全性審査に振り分けられる。届け出のみの場合は、HPに掲載されるとともに流通が可能になる。安全性審査が必要になった場合は、食品安全委員会の評価を受け、HP等に掲載されるとともに流通が可能になる。
【食品への表示】
農林水産省と厚生労働省への届け出が始まると、法の上では流通が可能になる。
消費者庁は、これまでの消費者の意見を踏まえて表示制度を設けた場合、実行可能かどうかを検討してきた。
意見交換会では次のように報告した。遺伝子組換え食品に該当するものは、導入された外来遺伝子を科学的に検知することはできる。一方、該当しないものは、従来の育種技術による変異と判別し検知できないため、検査法の確立は困難である。なお、ゲノム編集技術を使用して得られた食品の表示について、具体的なルールを定めて運用している国・地域はない。
消費者庁は今後も、消費者の意見を踏まえて、検討を続けると伝えた。
【来場者からは表示を求める声】
来場者からは、基本技術に関する質問や、選ぶ権利がほしいので、表示をしてほしいと要望する意見が出た。また、有機JAS規格に関わる扱いや表示について、検討を求める意見が出された。この日の意見は厚生労働省のHPで公開される。

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