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イベントレポート

2019 共同フィールドツアー(DJI JAPAN㈱×シンジェンタジャパン㈱)


一方、アクシズMX 1キロ粒剤は、移植後7日からノビエ4葉期まで(注:直播水稲の場合は稲1葉期~ノビエ4葉期)という使用時期の長さが特徴になる。AGRAS MG-1P RTKのタンク容量の10とアクシズMXの使用量の1kg/10a(10kg/ha)とがマッチしており、バッテリー容量からしても1本で10kg/haをちょうど10分でまける計算が立つ。
今回のイベントは二部構成になっており、最初に撮影から自動航行での農薬の散布に至るまでの一連の流れが実際に機械を動かしたうえで説明された。0.67?haの圃場に対して「PHANTOM 4 RTK」を上空約60mに飛ばすところから始まり、撮影した画像をパソコン上のアプリで合成して圃場地図を作成した。合成に要する時間は最短で5分、長くて15分くらいだという。測量は作業当日でなくてもよく、水田であれば稲刈り後の雪が積もっていない時期とかで問題はない。その後、畔から5m内側を飛行させなければならない運用要領と散布幅4mという条件を勘案して散布ルートを組み、アクシズMX 1キロ粒剤をタンクに7kg積んだAGRAS MG-1P RTKの自動航行がスタートした。オペレーターはプロポを持っているが、操作せずとも飛行高度2mを保ちながら圃場の端まで行ってはターンを繰り返していった。作業開始箇所はどうしても薬剤が落ちにくいため、最後は手動に切り替えて散布していた。
次に、会場を0.84?haの圃場に移し、AGRAS MG-1P RTKを2台用いた編隊による自動航行と続いた。
視察後の質疑応答では以下のような回答があった。
「ドローンで最初に普及しやすいのは水稲。水面から薬剤が溶けて広がっていくのが大きい。いろんな作物でもニーズがあるので、適正な効果が出るのか、安全性が担保できるのかを確認したうえで順次対応していきたい」(シンジェンタ)
「ドローンは、自動で、しかも複数台同時となれば、産業用無人ヘリコプターとは異なった使い方ができるのではないか。今年は150haの経営だが、そこで使えるのかどうかが一番の関心事だ」(横田修一代表取締役、全国稲作経営者会議青年部顧問)
DJIによると、出荷実績からユーザーはドローン1台につきバッテリーを5本前後購入して使用しているケースが多いという。登録農薬の増加や散布効果の確証が得られれば、既存の防除方法をしのぐ可能性は大いにあるのではないかと感じた。 (永井佳史)

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