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特集

思いをかなえる「合同会社」という選択


肉の販路は精肉販売店やレストランなど。ふるさと納税の返礼品にもなっている。シェフたちのメニュー開発も進んだ。加工業者と提携して、ソーセージやジャーキーの販売も。
「肉の製造販売は概ね良好。今後は10~20%の売上増が目標ですね。ほかに皮の活用や、内臓の炭化=肥料化を進めています」
スタッフのなかには狩猟免許を取得した人もいる。番頭役は金融機関の出身者。ITに強い若者もいる。地元出身者と移住者が一緒になって、現場作業や販促活動に取り組む「のとしし大作戦」、現在進行中。
(取材・文/八木誠一)

■合同会社のとしし団
設立:2018年1月/代表社員:加藤晋司/出資総額:5万円/売上:2,400万円(2018年度)、会社設立前の2017年は1,600万円/業務内容:イノシシ肉販売、皮革・内臓の活用、狩猟者など人材育成/スタッフ:雇用2名、羽咋市からの地域おこし協力隊2名

case 5 たごころ農園(福井県若狭町) 田を思い地域の人々を思い農業を未来に託す

【集落営農で農事組合より合同会社を選択】

たごころ農園は、福井県若狭町にある。合同会社化したのは2006年。代表社員の倉谷正典さんは、当時、東京で会社員をしていたが、法人化するにあたり出資をした。他の出資者は、現会長(業務執行社員)の倉谷典彦さん夫婦、そして、今も同社で働く社員にも加わってもらった。そこには、一緒に会社を育てていきたいという典彦さんの思いがあった。
法人化した理由のひとつに、地域の農家の後継者がいなくなってきたことがある。耕作放棄地が増えるなかで、地域の信頼も厚かった典彦さんが集落の一帯をまとめて、集落営農を組織し法人化した。
農事組合法人にする選択肢もあった。しかし、設立時の登記上の経費面、有限責任、そして意思決定のスピードの速さなど、多くのメリットから合同会社にすることに決めた。正典さんは、合同会社にしたデメリットはないと強調する。
典彦さんが、息子である正典さんに事業承継したのは、今年の4月。正典さんが東京の会社を辞め、たごころ農園に入社して3年ほど経ったときだった。
「順当にいけば、出資者の社員が代表になるべきだと思っていました」(正典さん)
しかし、その人から従業員として専従したいと申し出があり、正典さんが承継することになる。
「自分の父親が立ち上げた法人を一代で終わらせるのは嫌でした。事業が農業であっても、違う業種であっても関係はなかったと思います。ただ継続させたいという強い思いで引き継ぎました」

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