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令和元年の「産業的稲作」のリアル

稲作の占めるウエイトと技術体系の選択

平成から時代が変わり、全国各地の水田では令和元年産の稲穂が茂っている。本誌では水田農業にこそイノベーションが必要だと呼びかけてきたが、近い将来を見据えて、機械装備に投資し、新しい技術体系を模索している農業経営者は多くない。地域に根づいた「稲作」を脱するのは勇気がいることで、覚悟も求められるかもしれない。それでも稲作の産業化に生き残りを懸ける人たちに共通するのは、信念と実行力、そして、非常識な挑戦を楽しむ同志とも言える仲間を持っていることではないだろうか。伝統は改革し続けることで継続できると言われるが、昔ながらの農法の「なぜ?」を問い、そこに現代の技術を投入するのは、当然の発展といえよう。全国各地で奮闘する水田農業経営者のリアルな実態を数回に分けて追いかける。  (取材 加藤祐子)
水田の話題は多岐にわたる。ざっと挙げても、技術体系、品種、乾燥・調製、販路、機械・設備の選択、労働力の確保など、それぞれ掘り下げたい項目ばかりである。だが、先進的な取り組みを拡大する経営と、従来のコメづくりを続けている経営との格差が広がっていることに注目したい。多様化する稲作の実態を追いかけるには、何から手をつけるべきか。まずは、経営概要とその経営における稲作の占める割合と技術体系の選択について、アンケート調査を実施した。
Facebookと本誌のメールマガジンとで呼びかけたところ、100件余りの回答を得た。平均値やバラツキの把握は公式の統計調査に譲ることにして、ここでは「多様な経営実態」を伝えるべく、最後の質問まですべて回答いただいたものから30件を紹介することにした。経営規模の内訳は土地利用型の面積規模では10ha以下が6件、10~30haが10件、30~50haが5件、50~100haが13件、100ha以上が1件だった。
稲作の技術体系は、依然として、一部の特殊な地域を除けば、慣行法、は代かき移植体系である。農水省の統計によれば、平成29年産の全稲作面積が約160万haで、そのうちの直播は乾田直播が約8500ha、湛水直播が約1万7300haで、1.6%に過ぎないという。今回のアンケートでは乾田直播に移行している方は少数派で、まだ限定的な技術であることがわかった。「収量が安定している」「慣れている」という理由で慣行の代かき移植が選ばれているが、現段階では労働力を確保できているという事情が伺える。

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