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ラウンドアップ裁判の深層分析

農薬メーカー側を支持する全米の生産者団体と農業州の共和党議員



全米の生産者団体がカリフォルニア州に実質勝訴

戦いの甲斐あってこの裁判では、原告の農業団体側が実質的に勝訴している。どんな裁判だったのか。
ことの発端は2017年7月7日、カリフォルニア州環境保健有害性評価局(OEHHA)がラウンドアップの主成分グリホサートを「発がん性のある有害化学物質リスト」に追加したとの発表にさかのぼる。同リストに掲載されると、同物質が含まれる製品をカリフォルニア州内で販売する際、企業はパッケージに「本商品はがんを引き起こすとカリフォルニア州に知られる物質を含んでいる」との警告表示が義務付けられることになる。
この規制は、悪名高いカリフォルニア州法プロポジション65(1986年安全飲料水及び有害物質施行州法)に基づく。この州法の何が悪名高いかといえば、この科学的根拠が乏しいだけではなく、乱用されている点だ。たとえば、昨年、新たなリストに追加された物質にコーヒーがある。冗談みたいな話だが、焙煎した際、アクリルアミドが発生するからだという。ほかには、製材所で出る木粉やアロエベラの葉エキスなど、発がん性と無縁とは思える物質も数多くリストに入っている。
警告表示が求められるのは商品だけではない。指定された物質が発生する場所や飲食物が提供される場所でも警告表示が求められる。たとえば、カリフォルニア州に行けば有料駐車場でこの警告看板をよく見かける。車の排気ガスが有害化学物質リストに含まれているため、駐車場はそれが発生するとの警告だ。珍しいところでは、ロサンゼルスのディズニーランドでも同様の看板が設置されている。敷地内に路面電車から排出される物質が該当するとの理由だ。コーヒーを提供する喫茶店も店舗やパッケージで発がん性の表示義務が課される直前まで来たが、スターバックスらが州と争った結果、今年6月、なんとか法的義務は免れる判決が下された。
ディズニーランドやカフェなら「これがカリフォルニア州のトンデモ法律か!」と少しは笑って済まされるが、健康に悪いイメージが根付く農薬に発がん性警告が科学的な根拠なく義務づけられては、ただでは済まされない。農薬の営業妨害になるだけではなく、それを使った農産物に対する風評被害が広まっては取り返しがつかないことになる。
そこで上記の生産者団体は2017年11月15日、OEHHA局長とカリフォルニア州司法長官を相手取り、表示義務の仮差し止めを求める訴訟を起こしたのだ。原告の主張はこうだ。

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