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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

事業拡大と経営者の自己実現(2)

働き方改革をしたら元には戻れない

前回、事業拡大の実例に、アスパラガスのハウス増棟の話をした。私と妻、両親に、正社員1人とパートさんという小さい経営にしては、我ながら思い切った投資に踏み込んだと思うこともある。
だけど、本音を漏らせば、前に述べた“農家の働き方改革”を実行した我が家は、もうそれ以前には戻れなくなってしまったのだ。家族だから我慢して働くのは仕方ない、という暮らしはもうできない(笑)。家族以外の従業員を雇用して、就業規則を整えた結果、家族も会社の一員として勤務時間が過ぎたら作業をやめるようにした。春のアスパラの繁忙期と牧草作業を除けば、余程の理由がなければ、延長戦には突入しない。ただ、その働き方で金額を合わせなくてはならないから、それなりのプレッシャーを抱えることにもなった。
とは言っても、増益を狙って事業を拡大するのに、面積や牛の数が2倍になったら、2倍の人数が必要になって、2倍の機械装備が必要になるようではダメだ。思った以上に利益が上がらない。ましてや農場主やその家族、従業員が勤務時間を超えて穴埋めをすることが恒常化するのは避けたい。作業のやり方を抜本的に変えるか、労働調整をするか、どこで作業時間を短縮するか、どの作業を機械化したら省力できるか―農場内の改善テーマを探して、解決していくのが近道だと信じている。

農場主が手を出さなくても稼働する仕組みをつくる

農場主が自身の労働だけで賄えない部分が出てきたら、自分が手を出さなくても稼働する仕組みを作り上げなければならない。従業員を多く抱えている経営者には、釈迦に説法になるが、家族経営から一歩踏み出そうとする経営者に話しておきたいことがある。
ここでいう「自分が手を出さなくてもいい」という部分は意外とネックになる。多くの経営者が、働き手に“自分の分身”を求めるからだ。自分と同じように作業をこなせないとイライラするし、自分より器用に片付けられてはおもしろくないという心情に陥ってしまう。そこで立ち止まっている方もおられよう。

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