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実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!

事業拡大と経営者の自己実現(2)


実施済みの事例を挙げれば、和牛部門では25頭から50頭近くに増えたが、人員も増やさず、同じ時間で作業をこなしている。ルーチンの仕事もあれば、頭数が増えたことで増える仕事もあるのだが、労働時間は増やしたくない。放牧を駆使して、柵を直して、便利グッズを購入して、トラクターを大きくして―道具の力とお金をかけ、作業内容を変更して時間短縮を図っている。
同時に、少しでも利益を上げる手も考えてきた。子牛を生み終えた雌牛を廃用牛として売ってしまえば20万円しか入ってこないが、それを100万円以上の価値に上げようとあの手この手を打っている。放牧を取り入れたのも、給餌などの世話にかかる作業時間が短縮でき、牛が健脚で、健康管理に関わる手間も少なくて済むからだ。いまは子牛の価格が高くて採算が合うからそれ以上望まないようで、「肥育までやらなくても」と言われるのだが、その間に次の仕組みを作っておきたい。
一方のアスパラ部門は増やした以上、こちらもどうにか労働をうまく回せるやり方を編み出すべく、思案している。労働力も増強しなければならないが、夏時期に労力をかけている草取りは機械力で軽減する手を講じておくつもりだ。候補に挙がっているのは、自走式ロールベーラーとカルチベーターの導入である。
昨年9月の台風で、ハウスの扉が損傷した。修復の際に開閉式の扉にしたところ、トラクターが簡単に中に入れるようになった。扉の取り外し作業なく、堆肥を播く作業も楽にこなせる。ここに自走式ベーラーが入って、越冬した残渣を刈り取って、一列にきれいに真ん中に寄せておいて、一気に集めてしまおうと考えている。これが可能になれば、一番人手のかかる作業の時間短縮ができる。春収穫後はトンネルマルチを外した後に、株に影響のない深さと幅で、カルチをかける。堆肥を播く前に畝間だけきっちり表層混和できれば草を半分くらいに抑えられるのではないか。そのやり方なら、面積が増えても、同じ時間で草取りをこなせる可能性が見えてくる。
もう一つ、去年の震災を教訓に発電機を増やしておくつもりだ。牛舎もハウスも、事務所も稼働をストップさせるわけにはいかない。そのために40馬力のディーゼル発電を選んだ。PTOで回す方法も考えたが、場所を選ぶのが弱点である。備えあれば憂いなし、に尽きる。

経営内部の改善テーマに向き合えるかが鍵に

いまの時代、良いものを作るのは当たり前のことになってきたので、俗にいう働き方改革は、技術が良くならないと実現できないと感じることがある。技術とは、生産技術とか大がかりなものより、動線の整理だとか、機械装備をどう組み合わせるかの工夫だとか、半自動化のように機械力と労働力のバランスをとる部分の話である。半日単位で仕事の出来高を考えているが、段取りや片付け作業を必要最低限にすることで、やらなければいけない作業に時間を傾けられる。采配を間違ったら、仕事がごっそり残る。農業は天候に左右されるだけに、毎日良い勝負をしているのではないだろうか。

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