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【土門「辛」聞】
グランプリに選んだ農水統計2点の「ここが使える!」
- 土門剛
- 第180回 2019年08月30日
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政策統括官付農産企画課「米に関するマンスリーレポート」(通称「マンレポ」)米市場未整備のなか、農政が目指す需要にもとづく米作りの実現に向けて省内外に散在する数多くの統計データから選び出し、2011年4月以降、毎月発信し続けていることは、米市場の代役の役割を見事に務め、プロ筋の米関係者から高く評価されていることは、グランプリに相応しいと考えた。
経営局協同組織課「総合農協統計表」戦前の産業組合時代から連綿と続く農水省伝統の統計資料。現在の呼称になったのは、1947年に農協制度が発足してから。当初は農協が出す業務報告書を中心に調査票という形でデータを収集していたが、2012年から業務報告書そのものを協同組織課に提出してもらい、同課が統計資料として作成。その業務報告書の内容は農協監査士(いまは公認会計士)の監査を受けたもので、正確さにおいては総合農協統計表の右に出るものはなく、グランプリに相応しいと判断した。
マンレポ第1号発行の前月末、全国米穀取引・価格形成センター(コメ価格センター)が解散に追い込まれた。2004年スタートの国が認可した米の現物市場のことである。授賞理由で「米市場の代役の役割」と例えたのは、価格形成とまでいかなくても需給情報を発信するという意味での役割と理解していただきたい。
価格形成と需給情報―分かりやすい例えなら、日本中央競馬会(JRA)か。レースの出馬表と、払戻金を示すオッズの関係のようなものだ。出馬表には、過去のレース結果(着順、タイム、馬体重、騎手の負担重量など)の詳細な記載がある。競馬ファンは出馬表の情報を参考に馬券を購入する。なかでも配当を倍率で示したオッズは、市場で示される価格のようなものだ。
経営局協同組織課「総合農協統計表」戦前の産業組合時代から連綿と続く農水省伝統の統計資料。現在の呼称になったのは、1947年に農協制度が発足してから。当初は農協が出す業務報告書を中心に調査票という形でデータを収集していたが、2012年から業務報告書そのものを協同組織課に提出してもらい、同課が統計資料として作成。その業務報告書の内容は農協監査士(いまは公認会計士)の監査を受けたもので、正確さにおいては総合農協統計表の右に出るものはなく、グランプリに相応しいと判断した。
ピンポイントで分かる米需給最新動向
マンレポ第1号発行の前月末、全国米穀取引・価格形成センター(コメ価格センター)が解散に追い込まれた。2004年スタートの国が認可した米の現物市場のことである。授賞理由で「米市場の代役の役割」と例えたのは、価格形成とまでいかなくても需給情報を発信するという意味での役割と理解していただきたい。
価格形成と需給情報―分かりやすい例えなら、日本中央競馬会(JRA)か。レースの出馬表と、払戻金を示すオッズの関係のようなものだ。出馬表には、過去のレース結果(着順、タイム、馬体重、騎手の負担重量など)の詳細な記載がある。競馬ファンは出馬表の情報を参考に馬券を購入する。なかでも配当を倍率で示したオッズは、市場で示される価格のようなものだ。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
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