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【今年の市場相場を読む】
ピークから急降下した小物野菜 カイワレ/ワケギ/パセリ/食用菊
- 第276回 2019年08月30日
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カイワレ 28年間で8割以上減った「出世野菜」、「事件」は20年を経て若年層に需要
【概況】
農水省の調査では、カイワレのピークは1990年、全国で1万8270t生産された。この年、東京市場には4960tが入荷してキロ単価は280円。それが28年後の2018年の東京市場には84%減って801t、8分の1に激減した。単価は2.4倍の673円だ。ところが、全国の生産動向と東京市場の入荷動向には大きな違いがある。東京市場の入荷のピークは、5年前の85年の6267tである。
【背景】
カイワレには非常に劇的な歴史がある。昭和50年初頭にスーパー競合戦争が展開し、つま物野菜が店舗・商品差別化のターゲットになった。そのときの出世頭がオオバとカイワレである。もやし業者が一斉に生産を開始すると入荷が急増。東京市場ではカイワレの統計を83年から独立させた。その年の入荷は3900tで2年後に約6300tと史上最大量が入荷。以降、漸減が続き95年に3500tまで減ったところで、あの事件が勃発するのだ。
【今後の対応】
96年7月、学校給食で死者3人を出すO-157食中毒事件が起こり、最初はカイワレが原因だと疑われた(後に不起訴)。事件直後からカイワレは小売店頭から姿を消し、翌97年には年間809tと8割もの急降下。その後、2018年までの20年間はずっと横ばいだったが、入荷減で単価が高騰するのは業務用需要が底堅いから。一方、20年を経過してスーパーでの品ぞろえ商品に定着した。事件を知らない若年層が抵抗なく評価し始めている。
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